在日の焼肉屋さん2006年01月14日 12時25分

 『カーテンコール』には在日韓国人二世の夫妻が切り盛りする焼肉屋さんが登場する。
 私も在日二世のご夫妻がやっている焼肉屋さんに、よく行っている。
 こちらのご夫妻の国籍は北朝鮮だ。ここのご主人とママさんの話を聞くと、いろいろと勉強になる。
 そもそも北朝鮮籍と言っても、親の世代の1世の大半は朝鮮半島の南部の出身であるということだ。ご主人のご両親もママさんのご両親も現在の韓国の南部の出身だ。1世が日本に来た時はまだ朝鮮は一つで、その後、北と南に分かれたので、出身地に関係なくどちらでも好きな方を選んでも良いということになり、ご主人のご両親もママさんのご両親も北を選んだのだということだ。だからご主人もママさんも北朝鮮人だが、半島にいる親戚は皆、韓国人だ。
 何年か前に、北と南が接する共同警備区域での両国の兵士の交流を描いた映画『JSA』をお二人が映画館へ見に行った時、4人がケンケンをして遊ぶ場面で涙が止まらなかったと言っていた。北と南に分かれていても、元々は同じ遊びを知っている同じ民族なのだということを強烈に感じさせてくれる場面なのだと私に教えてくれた。
 そのご主人とママさんに『カーテンコール』の鑑賞券を差し上げていたが、先月、二人で銀座に見に行ってくださった。銀座に行ったのはすごく久し振りだったということで、とても喜んでくださったので、私もうれしかった。ご主人によれば、安川修平のような人は周囲にゴロゴロいるので、二人で「普通のことだね」と言いながら見たということだった。家族が離れ離れになって行方知らずになる状況を普通のことと表現する在日の人たちの苦労がどのようなものであったのか、私には想像もできない。

コメント

_ 金翰局 ― 2006年01月15日 23時32分

ブログを楽しく拝見させていただきました。
先生の知らなかった一面を見たような気がして、
とても嬉しかったです。これからもドンドン
お見せください。楽しみにしております。

_ S.KOJIMA ― 2006年01月16日 06時20分

金翰局さま
 コメントありがとうございます。
韓国ネタもこれからどんどん書いていきたく思いますので、よろしくお願いします。

ところで、このコメント欄はハングル入力ができないみたいですね。

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