出口見ながら土日のことを2007年08月19日 22時18分

 今、テレビ朝日で『出口のない海』を見ています。これを見ながら、昨日の土曜日と今日の日曜日のことをとりとめなく書こうかなと思います。
 今、回天を載せたイ号潜水艦が米艦船からの爆雷攻撃を回避して浮上して、伊崎さんの回天だけがダメージを受けて伊崎さんが泣いているシーンです。伊崎さんは夕凪にも出演しましたので、昨年この映画を見た時よりも断然親近感があります。
 今さっき講堂で坊主頭300人シーンが終わりました。私のエキストラ初出演の場面です。
 それにしても、やっぱり『出口のない海』、いい映画じゃないですか。何で、他の佐々部映画に比べてあまり評価が高くなかったんでしょうか?すごく不思議です。
 古手川祐子さんが並木(海老蔵さん)の母親役だったんですね。すっかり忘れていました。古手川さんと言えば、今の私にとっては大林監督の『転校生 さよならあなた』の一美の母親役です。一美が病気になってからの古手川さんの涙目の表情がすごく良かったです。昨日見た大林監督の『22才の別れ』に出口の並木の父親役の三浦友和さんも出演していました。
 昨日の『22才の別れ』の舞台挨拶の登壇者は、大林監督と伊勢正三さんを含めて総勢15名でした。こんな賑やかな舞台挨拶見たことありません。皆、大林監督を慕って参集したという感じでした。しかもMCはいなくて、大林監督自らが司会していたのが、家族的な雰囲気がして、とても良かったです。今度、佐々部監督も自ら司会してみたら、もっといい舞台挨拶になるかも、とちょっと思いました。
 大林監督の『転校生 さよならあなた』はストレートに心の奥底まで響いてきた作品でした。『22才の別れ』は変化球という感じで、まだ自分の中の評価が定まりません。いい映画であることは確かですが。大林監督の映像表現を私はかなり気に入っています。『転校生 さよならあなた』を私は結局7回見ました。『22才の別れ』はそこまで多く行くことはないと思いますが、最低あと1回は行くと思います。
 今日の夕方は『天然コケッコー』を見ました。評判に違わずいい映画だったと思います。でも、2回目を見に行くことはないと思います。やはり私にとって本当にいい映画とは、2回も3回も見に行きたくなる映画だと思います。
 今日の午前は教会の礼拝を休んで、視覚障害者のための音声ガイド付き『夕凪の街 桜の国』の鑑賞会に参加しました。今日でこの映画は11回目です。回を重ねるごとに涙があまり出なくなっていたのですが、今日はまただいぶ泣いてしまいました。たぶん見る回数が多くなるにつれ、映画への集中力が低くなっていたのだと思います。きょうは音声ガイド付きでしたので、初心に帰ってグッと映画に引き付けられ、初見の時と同じくらい涙が出ました。音声ガイドが持つ力は本当にスゴイと改めて思いました。

『出口のない海』終了間近2006年10月27日 06時09分

 まだまだ続映の館もありますが、多くの映画館では今日で上映終了のようです。私は今夜は『出口のない海』(6回目)を見に行くことにしています。
 まだ、ご覧になっていない方は是非劇場に足を運び、大きなスクリーンでこの映画をご覧になっていただきたいと思います。

ユネイテッド・シネマ豊洲2006年10月10日 22時51分

 昨日、ユネイテッド・シネマ豊洲へ行き『出口のない海』(5回目)を見た。上映前に佐々部監督の舞台挨拶があり、チル友のTさん、Iさん、Hさんも来ていた。監督さん、お疲れ様でした。
 ユネイテッド・シネマ豊洲はオープンしたばかりの劇場で快適だった。まず座席のひじ掛けが隣の人との奪い合いにならないよう、ちゃんと2人分の広さがあるのが良かった。前方の席との距離も十分とってあり、私の足の長さなら伸ばしていられるのが楽で良かった。
 映像と音声はもちろん申し分なかった。主人公の並木が新しく開発された特殊兵器への搭乗を志願する意志表示としての二重丸を描くシーンで鉛筆のカリカリという乾いた音がハッキリと聞こえた。様々な思いを抱き熱い血が通う人間の指先からこのような乾いた音が冷たく発せられるという対照的なコントラストが、これからの主人公の運命を予告しているようだった。音響があまり良くない上映会場では味わえないものが味わえ、とても良かった。

泣けた2006年10月05日 06時19分

 昨晩のNHK「その時歴史が動いた」を見た。
 戦後わずか3ヶ月で復活早慶戦が行われたという場面で泣けて仕方がなかった。『出口のない海』の並木浩二のように二度とグラウンドに戻って来ることができなかった者が数多くいたであろうことに。
 番組では戦死した若者についてはほとんど触れていなかったので泣ける作りの番組ではないのに、泣けた。『出口のない海』を見たおかげだ。
 このように映画をたくさん見、書物をたくさん読み、音楽をたくさん聞き、知識や情感を豊かにしていくことが大事なのだなと、今さらながら感じた。心の豊かさが育たないと分かりやすい映画にしか感動できない人間になってしまう。

http://www.nhk.or.jp/sonotoki/2006_10.html#01

今夜のNHK「その時歴史が動いた」2006年10月04日 08時17分

戦火をこえた青春の白球
~学徒出陣前 最後の早慶戦~

『出口のない海』の時代背景を知る上で佐々部映画ファンは必見ではないでしょうか。

22:00~22:43 にNHK総合で放送されます。

http://www.nhk.or.jp/sonotoki/2006_10.html#01

なるほどの演出2006年09月26日 11時54分

 佐々部監督が出演した、かわさきFM<岡村洋一のシネマ・ストリート>の火曜の放送を今夜、川崎の自宅で聞いた。月曜の放送は忙しくしていて聞けなかった。実は月曜も火曜も同じ放送を流すと思い込んでいたので、月曜はパスしたのだった。すみません。でも今夜の分だけでも、いろいろいい話が聞けた。
 「出口のない海」で海老蔵さんの眼の力を極力弱くする演出をしたことは以前からいろいろなところで聞いていたのだが、きょうのFMでの話の中で、海軍対潜学校の校長先生役の平泉成さんにも低い抑制した声で話すよう求めたということを知った。台本は「!」だらけで強い口調で話すようになっていたのを、敢えて抑えてもらったのだったと。
 実は私はあのシーンでエキストラとして参加していて、声が余りに小さいことに違和感をおぼえていた。もっと鼓舞するような声で話しても良いのではないかと思っていた。でも出来上がった映画を見て、そして今夜のFMでの監督さんの話を聞いて、映画って全体のバランスを考えながらそうやって一つ一つのシーンの演出をしていくのだなと、全くの素人の私にはすごく勉強になった。
 少し前に書いたが、私は海老蔵さんが特殊兵器への志願の2時間の考慮時間中の便所でボーっとしている顔が妙に気に入っている。もし校長先生が力強い声で話をしていたら便所での海老蔵さんの顔ももっと悲壮感に満ちた顔になり、全編がこわばった調子の映画にならないとバランスが取れないであろう。そのような、こわばった映画は佐々部監督が撮りたいものとは違うだろう。
 永島敏行さんが「天を回らし戦局の逆転を図る。名付けて『回天』。」と力強く言う場面も、校長先生の平泉さんが低い声で話したからこそ引き立ったのだと思う。私はこの場面が人間の愚かしさを最も強く描いている場面だと思っている。人間が天を回らすことなどできるはずもなく、そのようなことを考えること自体が傲慢なことだ。神を畏れぬこの思い上がりが悲劇の始まりだったという、愚かで悲しい場面だと私は受けとめている。

脱力した海老蔵さんがいい2006年09月16日 23時52分

 きょうは『出口のない海』の初日。
 私は新潟で学会発表があった。
 朝5時半起床。
 6時半自宅を出る。
 10時半、新潟大学着。学会の午前のセッションを聴く。
 午後1時、午後のセッション開始、私も15分の発表をした。
 2時15分、午後の最初のセッション終了。終了後、いまは仙台にいる後輩のサト君と20分ほどディスカッションすることができた。有益なコメントをもらえて感謝だった。近々投稿予定の論文も彼のコメントでかなり補強できそうだ。
 上越新幹線の「とき336号」で16時13分に新潟を発つ。18時14分に上野で降りれば上野スタームービーで18時45分からの『出口のない海』を見ることができることが分かったので、上野で降りることにする。
 18時30分、上野スタームービー着。
 18時45分、鑑賞開始。『出口のない海』はこれで3回目だが、1回目はイイノホール、2回目は海峡メッセという大きな会場だった。やはり映画鑑賞はこの上野スタームービーぐらいのサイズの映画館で見るのがちょうど良いと思った。スクリーンに入り込むことができた。
 きょうは特殊兵器への搭乗を志願する前の2時間の休憩シーンが心に留まった。原作にはないシーンだが、このことにより軍隊の「歯車」としての並木ではなく、「人間」としての並木の幅を持たせることができた良いシーンだと思った。
 21時、上野から銀座線で自宅に向かった。さすがに今日は疲れたので車内でボーっとしながらこの映画のことを考えていたら、2時間の休憩中の便所のシーンが、思い起こされた。このシーンでの海老蔵さんの脱力した表情がいい。ついで、最後の意識が朦朧としている場面も思い起こされた。朝から新潟へ行って帰ってきて脱力していた私は海老蔵さんとの一体感を味わうことができた。眼力のある海老蔵さんは遠い存在だが、脱力した海老蔵さんはとても近く感じた。

『出口のない海』明日公開2006年09月15日 12時31分

 『出口のない海』がいよいよ明日から全国公開になります。
 Yahoo!映画でも、だいぶ宣伝されてますね。
 http://movies.yahoo.co.jp/

 私は明日は新潟で学会発表があるので舞台挨拶には行けませんが、夜の回をどこかで見られたら良いなあと思っています。

加羽沢美濃「出口のない海」オリジナル・サウンドトラック2006年09月03日 20時30分



 映画『出口のない海』の公式HP
http://www.deguchi-movie.jp/
を訪れるとエンドレスで流れる音楽。潜水艦がひそむ静寂で暗い海の中を連想させるピアノの音で始まる。その高音はまた、敵艦に見つからないように海中で沈黙している無機質な潜水艦と魚雷をも思わせる。しかし、この冷たい金属の塊りである潜水艇の中は人間の様々な感情が満ち溢れ、交錯している。その情念が大編成のオーケストラの弦楽器と管楽器の重厚な演奏により、聴く者の胸に迫ってくる。
 この音楽を作曲し、且つピアノを弾いているのは加羽沢美濃さんだ。9月2日(土)に下関で行われた『出口のない海』1000人の先行特別上映会に参加するため羽田発山口宇部行きANA695便の12G席(窓側)に着席した私は出発間際に隣の12F席(通路側)に現れた女性を見て驚いた。何と加羽沢美濃さんだったのだ。つい1ヶ月前に朝日カルチャーセンターで加羽沢さんの講座を受講したばかりだったので、私は迷わず挨拶した。少しだけ話をして、加羽沢さんもお忙しいだろうから寝るとか仕事をするとかしたいだろうと思い、話すのをやめて私は窓の外を見たりすることにした。すると加羽沢さんは目の前の座席のポケットにある機内誌を取り出してパラパラとめくり始めた。機内誌を一通り見終わった後も本格的に寝る体勢に入るとか仕事をするとかの気配はなかったので、私は自身にゴーサインを出し、『チルソクの夏』のパンフレットにサインしてもらったり、名刺を渡したりして、少し長話しをさせてもらうことにした。
 作曲する時は本当に曲が天から降ってくるのだと言っていた。私はそれを譜面に書き取るのだと思っていたのだが、譜面にするのは最終段階で、そこに至るプロセスを教えてもらうことができた。『出口のない海』の録音を何故わざわざ北京まで出掛けて行ってしたのかという事情も聞くことができた。いろいろな話をしたり聞いたりすることができて幸せであったが、何よりうれしかったのは創造性が豊かな人の気をもらって私の創造性も大いなる刺激を受けたことだった。本当にどうもありがとうございました。

 加羽沢さんに貴重な時間を割かせてしまい、佐々部監督にも叱られましたが、ここでサントラのCDの宣伝をすることと、自分自身が良い仕事をすることでご容赦願いたいと思います。
 『出口のない海』オリジナルサウンドトラックCDは9/6の発売です。皆さん、是非お買い求めください。私も今執筆中の論文の質を少しでも高めるよう努力し、材料系では最高峰の雑誌への投稿をダメモトと卑屈にならず、掲載を目指す気概で取り組みたいと思います。

加羽沢美濃 ミニコンサート&トークショー2006年08月23日 21時40分



特別ゲスト:佐々部清監督
日時:2006年9月5日(火) 18:30開演
場所:銀座山野楽器 本店7階

 『出口のない海』の公式ブログで案内されていましたので、招待券をもらってきました。楽しみです。