『初恋のアルバム』2009年10月17日 10時20分

 パク・フンシク監督の映画『初恋のアルバム』(原題『人魚姫』)を観ました。
 これは、まさに「人魚」についての映画なのだと思いました。
 邦題の『初恋のアルバム』は間違った題名だと思います。普通の人間の初恋の映画だとして見ると、ちょっと分かりにくい映画だと思うからです。見終わった直後、私は、いま一つ分からない映画だと思いました。若き父はこの母のどこに魅力を感じたのだろう?
 しかし、『人魚姫』という観点からこの映画を思い返してみた時、この映画が俄然生き生きとしたものになってきました。
 水の中にいる時が一番生き生きとしている若き母。しかし、陸の上ではまさに陸に上がったカッパ状態の母。そんな母を愛おしく思う若き父。
 驚くほどに透明度の高い海中の映像が、この映画の透明感を高め、そして都会でのくすぶった生活とのコントラストを鮮やかに描き出していると思いました。
 心の透明度も大切にしていきたいものだ、とも思わされました。

あす鑑賞予定のDVD2009年10月15日 22時03分


 チル友さんたちの間で話題のこの映画、先週DVDを注文して一昨日の火曜日に届きましたが、忙しくてまだ観ていません。

 原題は『イノコンジュ(人魚姫)』なんですね。

 明日(金曜)の夜、鑑賞予定です。観たら、また感想を書きます。

金大中氏死去のニュースを聞きて思ふこと2009年08月18日 21時57分

日韓共同宣言
 -21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ-

1.金大中大韓民国大統領夫妻は、日本国国賓として1998年10月7日から10日まで日本を公式訪問した。金大中大統領は、滞在中、小渕恵三日本国内閣総理大臣との間で会談を行った。両首脳は、過去の両国の関係を総括し、現在の友好協力関係を再確認するとともに、未来のあるべき両国関係について意見を交換した。
 この会談の結果、両首脳は、1965年の国交正常化以来築かれてきた両国間の緊密な友好協力関係をより高い次元に発展させ、21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップを構築するとの共通の決意を宣言した。 (以下省略、外務省ホームページより)
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 1998年の金大中氏の訪日により、日韓両国の関係は劇的に改善したと思います。

 大学においては日韓共同理工系学部留学生事業が2000年より始まり、私も勤務先の大学で、この事業による韓国人留学生の受け入れと教育を担当するようになりました。

 この事業がきっかけで、私は韓国に大いなる興味を持つようになり、韓国映画をたくさんみたり、韓国人の友人ができたりし、韓国語も熱心に勉強するようになりました。

 聖書を読み、イエス・キリストを信じるようになったのも、韓国人の友人に勧められたことが、きっかけです。

 佐々部監督の映画『チルソクの夏』を知ったのも、ハングル講座の出演者の金相美さんのファンのサイトの掲示板によってです。

 そもそも『チルソクの夏』という映画も、日韓共同宣言による日韓関係の劇的改善がなければ、製作されなかった映画でしょう。

 1998年の日韓共同宣言が無ければ、今の私は全く異なる生活をしていたことは確実です。恐らく、暗闇の中を歩き続けていたことと思います。

 私のような者が、きっと多くいると思います。主が金大中氏を尊く用いてくださったことに感謝します。

日韓共同宣言(外務省ホームページ)
http://www.mofa.go.jp/MOFAJ/kaidan/yojin/arc_98/k_sengen.html

スクーターと言えば・・・2009年04月02日 11時37分

 きょうの午後から明日、明後日と神学院の食堂とチャペルのワックス掛けをします。ゴム長があったほうが良いと言われ、さきほど神学院のスクーターを借りて藤が丘駅近くのビバ・ホームに行ってきました。
 原付に乗ったのは学生の時以来、30年近く振りではないかと思います ^^;
 スクーターを走らせている時、気分は『八月のクリスマス』のハン・ソッキュでした。シム・ウナを後ろに乗せてソウル近郊の街中を二人乗りで走るシーンなど思い浮かべながら走りました・・・
 ひさびさで『八月のクリスマス』を見て見ようかな ^^

『密陽(ミリャン)』(シークレット・サンシャイン)2009年02月07日 11時39分

K-SASABEさま
 これは素晴らしい映画ですね。教えてくださり、どうもありがとうございました。題名からして素晴らしい。神の愛を知らない人は気付いていないけれど、どんな所にも神は光を照らしていてくださる、ということがよく分かる題名であり、そんな恵みにあふれた内容の映画だと思いました。この「密陽」(シークレット・サンシャイン)という名は監督さんの作品群の総称としても、ふさわしいのではないかと思ったことです。『四日間の奇蹟』はその代表ですし、2008年の『結婚しようよ』と『三本木農業高校、馬術部』も多くの人は気付いていませんが、私は神の光にあふれた作品だと思っています。逆に『悼む人』(映画ではなく小説ですが)は暗闇が支配している作品です。光や生命を含む万物を創造された神を積極的に否定していたのでは、作者が勝手に作った天国に光が射し込んでいるとは到底思えません。
 しかし、かくいう私も実際にこの映画を見るまでは「シークレット・サンシャイン」が何を意味するのかに全く気付いていませんでした。実はこのDVDを見る前にキネ旬最新号のベスト・テン選評を読んでいたら森卓也氏がこの『シークレット・サンシャイン』を外国映画の第1位にあげて、「宗教(信仰)のおそろしさを知る人は少なくなかろうが、かくも一貫した平衡感覚で客観的に描いた作品は稀なのではあるまいか。」とコメントしているのが目に留まったので、「もしかして、これも宗教否定の作品なの?」と大いなる不安を心に抱きながら、この映画のDVDを見始めたのでした。
 見終わってみて、「なるほど、神の愛を知らない人に対しては、宗教とは恐ろしいものだという印象を与えてしまうかもしれないな」と思いましたが、神の愛をもっと深く知りたいと願っている我々にとっては、良き学びとなる映画だと思いました。まず、この映画は、キリストの愛の広さ・深さは信じてすぐに分かるほど薄っぺらなものではないことを良く示してくれています。このことはヒロイン(チョン・ドヨン)だけでなく服役中の誘拐犯に対しても言えることで、普通は社長さん(ソン・ガンホ)のように、ゆっくりゆっくりと分かるようになってくるものです。天の父は我々の罪を赦すために、ひとり子である御子イエス・キリストを十字架に付けたほどに我々を愛してくださっているというキリスト教の教えの核心は、そんなにたやすく理解できるものではないだろうと思います。そして、この映画の一番スゴイところは、ひとり子を亡くしたヒロインの嘆き悲しみを通して、天の父の苦悩の一端をも見せてくれているところではないかと、いま思っているところです。そんな神の愛の広さ・深さを少しずつ感じとれるようになってきている社長さん(ソン・ガンホ)のもとで、ヒロインの心はきっと癒されていくことでしょう。
 ソン・ヘソン監督の『私たちの幸せな時間』を見た時も強く思いましたが、こういう『シークレット・サンシャイン』のような作品を商業映画として企画・製作・上映できる韓国の精神的・霊的な土壌の豊かさは、日本を遥かかなたに置いてきぼりにするほど引き離していると思います。日本と比べて韓国は、何でこんなに豊かなのか、その秘密を解き明かす光を、この『密陽(シークレット・サンシャイン)』は、もしかしたら照らしてくれているのかもしれません。

『祈る人びと』韓国語版2009年02月02日 21時42分


 高津教会牧師の藤本満先生の著書『祈る人びと』(いのちのことば社 2005)の韓国語訳の本が出版されました。『祈る人びと』は2003年から2004年にかけて高津教会の礼拝での藤本先生の説教を本にしたものです。この説教では旧約聖書のアブラハム、ハガル、イサク、ヤコブ、ヨセフ、モーセ、・・・、らの祈りを取り上げて祈りとはどのようにあるべきかを学びました。この「祈る」シリーズの説教で、私は祈りとは何かを学ぶことができました。
 さて、教会の姉妹が私にくださった韓国語版の装丁を見てみると、なかなかカッコイイですが、著者のフジモトミツルと書いたハングルが異様に小さいぞ!^^; せめて、その下の帯の活字と同じぐらいの大きさにしてほしいですね ^^

 中を開くと、オリジナルの日本語版にはない推薦文が目次の前に載っていましたので、直訳ですが和訳してみました。日本語が変なのは許してください。誤訳もあるかもしれません ^^;

推薦の辞
 キム・ビョンホ牧師(オンヌリ教会副牧師)

 本書は祈りに関する本ではなく、祈る人々の実際的な話を聞かせてくれる。この本を読み続ければ、私が置かれている現実の中で、いかに祈るべきかを自然に学べる。著者の論理や経験に基盤を置かず、聖書に現れる神の人々を1名ずつ黙想しながら、まるで畑に隠された宝物を探し出す喜びを享受するかのようだ。

 祈りは難しいと感じていないか?もしそうなら、この本を読んでみよ!
 アブラハムからネヘミヤに至るまでの約1500年を超える時空の異なるスペクトルを通じて、今日の私に現実に話される神の声を明確に聞くことができるからだ。同様に、読者は一つ一つの霊魂を愛してくださっている天の父の息遣いを感じながら、より自然に深い祈りに触れるようになるだろうと確信する。

 神を愛し、この方の意志を喜ぶ人生を送ることを願う人々に本書を強力に推薦する。祈りについてどんな新しい方法を提示することよりも、祈りが我々の生活の一部として日常的に人生の中に編み込まれる神聖で生きた祭司であることを示しているからだ。

 最後に、神がこの本を通じてこの時代に祈る人々を祝福してくださり、また、この時代にあって神に神聖な願いを抱いて祈る人々が起こされることを望む。

行って来ました大静郷校2008年09月04日 04時00分

 昨晩、済州島(チェジュド)からソウルに戻りました。
 済州島は北海道に似ていると思いました。市街地を離れると、全く建物がなくなり、牧草地に馬や牛が放牧されていました。海岸線の風景も美しく、とても癒されました。
 町並みは都会的な済州市と寂れた感じの西帰浦(ソギポ)市とでは、雰囲気が大きく異なり、その対照が興味深かったです。佐々部監督の映画『カーテンコール』で、井上尭之さん演じる安川修平が済州市ではなく、西帰浦市の方に住んでいるという設定にしたのも、ナルホドと納得しました。
 さて、その映画『カーテンコール』で安川修平と鶴田真由さん演じる娘の美里が再会する感動のラストシーンの撮影が行われた、西帰浦市街地から20kmほど西にある大静郷校(デジョンヒャンギョ)を訪ねて来ました。
 大静郷校は、山房山(サンバンサン)から、さらに5kmほど西にあります。  



 最寄のバス停で降りた時、幸運にも一緒に降りたハルモニ(おばあちゃん)が同じ方向だということが分かったので、途中まで一緒に行ってくださいました。ハルモニが行く道の両側にある家の石垣は、『カーテンコール』で見たことがあるものとそっくりだったので、期待感が高まりました。



 ハルモニが別れ際に、郷校(ヒャンギョ)は前方の山のふもとにあると教えてくれたので、ふもとを目指しました。道の両側の畑も、映画で見たことがあるような風景だったので、期待感はますます高まりました。



 でも、なかなか見つかりませんでした。それで、山(タンサンという山らしい)の右端の向こう側にあるのでは、と思ってさらに歩いて行った所、ジャ~ン、ありましたっっっ!遠方にそれらしき建物が見えましたっ!。



 さらに近づいて行き、間違いないと確信しました。なかなか見つからなくて、しかも道を聞ける人もいなくて途方に暮れかけていた時だったので、いや~、うれしかったです。



 そして入口にたどり着きました。「大静郷校」という看板が掛かっているので、間違いありません。映画と同じです。いよいよ、あの名ラストシーンの場所に来たのだと思い、ドキドキしながら門をくぐりました。



 映画で鶴田真由さんが「いつでも夢を」のハーモニカの曲に誘われて行くように、私も中へ、そして奥へと歩いていきました。



 そして、いよいよ、その時がやってまいりました。井上さんがハーモニカを吹いていた場所との対面です。



 あまりにうれしくて、そこから携帯でチル友さんたちに電話を掛けまくってしまいました ^^;
 位置関係を横から見ると、右が井上さんがハーモニカを吹いていた石段、左が鶴田さんが入ってきた所です。



 ふと思い立って、自動シャッターでハーモニカを吹く井上さんの真似をしているところの写真を撮りました ^^



 この石段に座りながら、安川修平はどんな気持ちだったろうかと思いを馳せました。今まではもっぱら娘の美里の気持ちばかり考えていて、安川修平の気持ちまでには、なかなか想像力が働きませんでしたが、安川修平の人生にも思いを巡らすことができ、恵まれた時を過ごすことができました。結局ここには3時間近くいました ^^

「ヨセフは車を整え、父イスラエルを迎えるためにゴシェンへ上った。そして父に会うなり、父の首に抱きつき、その首にすがって泣き続けた。イスラエルはヨセフに言った。『もう今、私は死んでもよい。この目であなたが生きているのを見たからには。』」 (創世記46章29,30節)

きょう、チェジュへ2008年08月31日 07時07分


 昨日は日本全国の大学から日韓留学交流プログラムの関係者が多数ソウルに集結していたので、能天気に顔を出して挨拶してきました。冷やかし気分で気軽に行って挨拶してこようと思っていましたが、いざ会場に近づいたら緊張してきて、逃げ出したくなりました^^; でも皆さん温かく迎えてくださり感謝でした。
 また、教保文庫へ行き、済州島(チェジュド)の旅行ガイドを買いました。きょうの午後、飛行機でソウルからチェジュへ行きます。済州島で第一に目指すのは、佐々部監督の映画『カーテンコール』のロケ地の「山房山(サンバンサン)の近くの学校」、すなわち大静郷校(デジョンヒャンキョ)です。だいたいの位置は分かったのですが交通が不便な場所なので、どうやって行こうか思案しているところです。映画みたいにタクシーで行けば楽ですが、この歴史のある学校でゆっくりしてみたいので、一人で行って、そこに座ってボーっとしてこようと思っています。あっ、ハーモニカを持ってくるのを忘れちゃいました(笑)

南大門市場で思ったこと2008年08月30日 10時12分



 昨日から韓国に来ています。上の写真は昨年の今頃に撮ったソウルの南大門です。今年の2月に放火事件で焼失して今は下の写真のようになっていました。残念至極です。



 さて、いつものように南大門市場の屋台で食事をしていて、前回までのソウル訪問と今回とでは良くも悪くも自分の心の中の状態が全然違うということを発見しました。自分が今、無職であることをつくづくと実感させられたのです。今まで、ここの屋台で食事する時は、職業を離れて一人の人間としてここにいたつもりでいましたが、全然離れていなかったのですね。職業というものが自分の心のあり方に大きく影響していることに改めて気付かされた次第です。



 だいたい、韓国に入国する時に提出する入国カードと税関の申告書にも「職業」の欄があるのですから、今回の韓国旅行のハナから自分が今、職に就いていないことを意識させられていたわけですが ^^;

 でも、こういう発見が出来ることがまた、旅の良さなんですね ^^

チェジュド2008年07月17日 11時22分

 ここ何年か、毎年9月上旬にソウルへ仕事で出張に行っていました。今年はもう仕事をやめたので行く必要はないのですが、なかなか面白いイベントなので、今回は一般人としてこのイベント会場を訪れて顔見知りの関係者に挨拶してこようかと思い、昨日飛行機のチケットの予約を済ませました。
 昨年までは仕事だったので用務が済んだらすぐに帰国しなければなりませんでしたが、今年は何せ私的な旅ですから、自由に旅行の計画が立てられます。とは言え、あまり長く教会から離れるわけにもいかないし、長くなればお金も掛かるので、ソウル3泊、チェジュド(済州島)3泊の6泊7日で行ってくることにしました ^^
 チェジュドは前から行きたかったのですが、なかなか行けず、今回やっとで念願を果たすことができます♪
 チェジュドの旅行ガイドを見ると、「シュリ」や「オールイン」など韓流映画・ドラマのロケ地の紹介記事が結構多く載っていますが、佐々部映画ファンにとっては何と言ってもチェジュドは「カーテンコール」の地です。
 「カーテンコール」のラストで父娘の感動的な再会の場となった「サンバンサンの近くの学校」とは、映画に出てくる看板を見ると「大静郷校」のようであり、ネットで調べたらだいたいの位置が分かりましたので、できれば訪れてみたく思っています。楽しみですっ!

「こうして救われてから、私たちは、ここがマルタと呼ばれる島であることを知った。島の人々は私たちに非常に親切にしてくれた。」
(使徒の働き 28章1,2節)