『ウェディング・キャンペーン』2007年12月17日 06時28分


 新百合ヶ丘の川崎市アートセンターでファン・ビョングク監督のトークショー付き『ウェディング・キャンペーン』(原題:僕の結婚遠征記)を見て来ました。
 先月、佐々部監督も出席したアートセンターのオープニング記念のシンポジウムで日本映画学校校長の佐藤忠男氏がこの作品をベタほめで、長い時間を掛けて作品解説を滔々としていたので、そんなに良いなら行かねばならないと思い、行ってきました。
 果たしてこれは、本当に良かったです。最近、少し忙しくてブログ更新をサボっていましたが、久々で書きたくなりました。コメディタッチで笑う場面が多いのですが、最後はウルウルしてしまいました。ファン監督は98年に日本映画学校を卒業した佐々部監督の後輩で、今村昌平監督に憧れてこの学校に入学したそうです。本作は監督デビュー作で、スタッフ・キャストにはまず『101回目のプロポーズ』と『蒲田行進曲』を見てもらったそうです。武田鉄矢さん、平田満さんが演じたさえない男が、時を経て韓国人によりウズベキスタンで演じられたことに、何とも言えない感慨を覚えました。
 トークショーの後でDVDを購入し、ファン監督にサインしてもらいました。ファン監督の今後のさらなる活躍に期待したいです。

『エア・シティ』2007年10月27日 21時12分

 木曜日の朝日新聞夕刊に毎週金曜夜8時からWOWOWでチェ・ジウ、イ・ジョンジェ主演の韓国ドラマが放映されるという全面広告が出ていましたので、昨日留守録をして今夜、昨晩放送された最初の二話分を見ました。
 面白かったです。「冬のソナタ」のチェ・ジウはもちろん大好きですし、イ・ジョンジェも映画「イルマーレ」、「インタビュー」、「ラスト・プレゼント」と私のお気に入りの韓国j映画に主演している好きな俳優さんですから、これからも毎週録画して見ようと思いました。
 俳優さんが好きだということもありますが、舞台がインチョン空港で、私は今年だけでも既に4回利用した空港ですので、見たことがある場所が頻繁に写ってそれを見るのも楽しいです。実際に飛行機が止まっている駐機場でカーチェイスの撮影をしたりして、日本ではちょっと考えられないシーンがあるのも面白かったです。
 もう1つうれしいのは、WOWOWは佐々部監督の「心の砕ける音」を見るために契約したのに、その後はあまり見ていなくて毎月の支払いがもったいないなといつも思っていたので、これからしばらくWOWOWを見る予定ができたこと自体もうれしいです。

ソウルのおみやげ2007年09月12日 08時14分


 ソウルの日本留学フェアへの来場者数は主催者側発表で4,199名で、昨年を上回る大盛況でした。我々のブースも人が途切れず、今年も夕刻までほとんど休憩が取れなくて疲れました。
 翌日、ソウルの教保文庫に「私たちの幸せな時間」の原作本があったので、自分のおみやげに買いました。
 その後インチョン空港に向かうまで少し時間があったので慶熙宮公園のベンチで少し昼寝をしました。上の写真はそのベンチで撮りました^^
 下の写真は同行者のA氏提供です ^^;;


(昼寝之図@慶煕宮公園)

釜山2007年09月09日 07時55分



 一昨日の午後に釜山入りしました。前の日は台風で飛行機が飛ぶのか、心配しましたが、出発時刻のだいぶ前に台風が通り過ぎてくれたので助かりました。
 BEXCOの目の前にあるホテルの界隈は食堂がほとんどなかったので、地下鉄で海雲台まで行って食事することにしました。砂浜を少しだけ歩いて癒されました。今度は仕事ではなく、ゆっくりとここを訪れたいと思いました。



 砂浜のすぐ近くの細い路地に新鮮な魚を食べさせてくれる食堂が軒を連ねていたので、ここでヒラメの刺身、水ダコの踊り食い、焼き貝等に舌鼓を打ちました ^^



 昨日は朝から夕方までBEXCOでの日本留学フェアが開催され日本からは大学・専門学校・日本語学校が100校以上参加しました。約2000名の来場者があったとのことで、大盛況でした。我々のブースにも約60組の来訪者がありました(資料を取って行っただけの人を除く)。



 釜山でのフェア終了後に飛行機でソウルに移動しました。ソウルのホテルに着いたのが午後9時過ぎで、9時半にやっと夕食にありつけました。生カルビと生プルコギを食べました。江南のホテルの近くにある焼肉屋さんなのですが、この店の生プルコギは絶品です。昨年のフェアの時に見つけた店で、昨年は2日連続でこの店に行きました。今夜もまた行くと思いますので、今年もまた2日連続となるでしょう。それぐらい、ここの生プルコギはおいしいです^^
 今日はこれからソウルのCOEXで日本留学フェアがあります。こちらは釜山の1.5~2倍の来訪者が見込まれます。昨年はブースへの来訪者が途切れることなく続いたので、結局昼食を食べることができませんでした。今日も忙しくなりそうです。

『冬のソナタ』で一番好きな場面2007年09月03日 22時39分


 今週はなるたけ韓国語漬けになるぞ、との決意で自宅ではスカパーの韓国語放送のKNTVを付けっ放しにしてニュースやドラマを見るようにし始めましたが、最近はKNTVを見ていなかったので、ドラマは話が良くわかりません。よく分からなくて面白くないものを漫然と見ていても韓国語の勉強になりそうもないので、『冬のソナタ』のDVDを久し振りで見ることにしました。20話を全部見るわけにはいかないので、私の好きな場面だけ見ることにしました。
 『冬のソナタ』全20話の中で私が一番好きな場面は何と言っても第6話の上記写真の場面です。スキー場近くの屋外の建設用資材置き場で飲み過ぎてしまい危うく凍死しかけた金班長を解雇すると言ったイ・ミニョン(ヨン様)にチョン・ユジン(チェ・ジウ)が猛然と抗議に行く場面です。そこでミニョンに「死んだ人が一番喜ぶのは忘れてあげることです」と言われたユジンがミニョンの目をキッと見つめながら「誰かを心から愛したことがありますか?」で始まる一連の言葉を話すシーンが私は大好きです。何度も見ているので涙など出ないと思っていたのに、今回久し振りで見たら、自分でも思いがけず、またしても涙がボロボロ出てしまいました。
 以下はその場面のユジンとミニョンのセリフです。

【ユジン】
 昨日は奥さんの命日で、つい飲み過ぎたのです。
【ミニョン】
 酒を飲んで我を忘れる、死んだ人のために?
 自分の寂しさをごまかすためだ。
 死んだ人が一番喜ぶのは忘れてあげることです。
【ユジン】
 だれかを心から愛したことがありますか?
 ないわね。だからそんなことが言えるの。
 今まで そばで息をしていた人が突然消えてしまうことが―
 どんなものなのか
 何一つ変わっていないのに その人だけがいない感じが―
 どんなものなのか その寂しさが わかりますか?
 それで涙を流すことが 間違っていますか?

 『冬のソナタ』を見たことがない人(よく会うチル友さんは、まだ見たことがないそうです)は、20話を全部見るのは大変だと思いますので、せめてこの第6話までは見てほしいと思います。そうすれば後は止められない止まらない状態になると思います ^^

韓国語の学習意欲ふたたび2007年09月02日 09時02分


 ソウルでの仕事が終わり、きょう帰国します。
 今週末はまた金曜~月曜まで3泊4日で釜山・ソウルの出張があります。
 今回の2泊3日のソウル出張で多少韓国語の環境に慣れ、すぐにまた韓国に来ることができるので、今週は日本でもなるべく韓国語に接する時間を多くしようと思っています。久し振りで韓国語学習意欲が沸々と湧いてきました。
 きょうは日曜日の礼拝の日なのでホテルの部屋のケーブルテレビの宗教チャンネルで聖書の講解を聞いていますが、やっぱりほとんど分かりません(笑)。イエス・キリストの弟子たちのように他国のことばが話せるようになりたいです。

「すると、みなが聖霊に満たされ、御霊が話させてくださるとおりに、他国のことばで話し出した。」(使徒の働き2:4)

『私たちの幸せな時間』(3)2007年08月31日 05時43分



 コン・ジヨン作、蓮池薫訳による原作の小説を読み終えてから再度、前回と同じ109シネマズ川崎の夜の回を見てきました。前回もそうでしたが観客が10名以下。いい映画なのにもったいないです。
 原作と映画を比べると私には映画のほうが遥かに良く感じられました。原作者の微に入り細に入った描写力には驚嘆しましたが、いくら言葉を尽くしても伝えられないものや原作者が描いていないことまで描き出しているところに映画の力の大きさとソン・ヘソン監督の力量とを感じました。特にこの映画で凄いと思うのは、原作には救いがほとんど感じられないのに、映画には大いなる救いが感じらる点です。例えば原作では冒頭に聖書の御言葉

「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです。」(ルカの福音書23:34)

が記されていますが、この映画にふさわしい御言葉は28日に書いた

「あなたはきょう、わたしとともにパラダイスにいます。」(ルカの福音書23:43)

であり、また

「わたしは、よみがえりです。いのちです。わたしを信じる者は、死んでも生きるのです。」(ヨハネの福音書11:25)

であると思うのです。
 毎日新聞のソン・ヘソン監督インタビュー記事は監督の映画作りへの考え方が見えて読み応えがありました。監督の宗教観にまで踏み込んで聞いてくれれば、さらに良い記事になったと思うのですが。

 きょうはこれから荷造りをして韓国に行きます。明日はソウルで筆記試験に合格した日韓プログラム9期生候補者に対する受入れ大学の合同説明会が開かれます。

韓国語訳版『四日間の奇蹟』2007年06月30日 08時36分



 ソウル地下鉄5号線の光化門駅入口に教保文庫という大きな書店があります。昨日、店内を見て回っていたら、日本書籍の「話題新刊」というコーナーに幻冬舎文庫の『チルソクの夏』が2冊置いてあるのを発見しました。店員さんにデジカメで写真を撮っていいか聞きましたが、許可してもらえませんでした。私がもっと韓国語に堪能で、なぜこの本の写真を撮りたいか細かく説明できたら許可してもらえたかもしれないので残念です。最近は韓国語の勉強をサボりっ放しだから仕方がないのですが。
 だからという訳でもないのですが、日本の小説の韓国語版を読んで韓国語の勉強しようかと思い、日本の小説のコーナーに行きました。『博士の愛した数式』の韓国語版が平積みにされていたりして、日本の小説も随分とたくさん韓国語訳されています。佐々部監督の映画の原作本はないかなと見ていたら、ありましたよ、ありましたよ『四日間の奇蹟』が。早速買ってホテルに持ち帰って電子辞書を使いながら読み始めましたが、分からない単語だらけで未だに1ページ目です(笑)
 途中で挫折するであろうことは目に見えていますが、少しでも先に進めたらと思います。
 写真の右側は、けさの朝食用に近くのセブンイレブンで買ったバナナ牛乳と海苔巻きです。私の好物で、ソウルへ来るとたいてい朝食はこれです。バナナ牛乳は1,2年前から甘さとカロリーが控えめのバナナ牛乳light ^^ が出たのがうれしいです。

ソウルで『夕凪・桜』と『転校生』のことを考えています2007年06月29日 13時38分



 昨日の早朝に自宅を出て昼過ぎにソウルに着きました。空港から仕事先に直行して昨日の夜までに予定していた仕事の大半が終わってしまいましたので今日の午前はホテルでのんびりしています。ここのホテルは眺めがいいので好きなのですが、難点は部屋でインターネットができないことです。そのことをうっかりしていて予約してしまいましたが、今はそれもかえって良かったと思っています。メールチェックに心を乱されることなく物想いにふけることができるからです。いま持参したPCでこのブログの日記を書いていますが、後でインターネットができる場所からこの日記をアップしようと思っています。
 ソウルに来る前の今週、火曜の晩は『夕凪の街 桜の国』の試写の2回目を、水曜の晩は『転校生 さよならあなた』の3回目をレイトショーで見ました。共に心の奥底まで感動の波動が響きわたる良い映画だとしみじみ思います。この2つの映画の終わり方には共通点があります。<以下ネタバレ>
 どちらの映画にも先に死んだ者の思いをしっかりと受け留めて前向きに生きていくことの大切さがメッセージとして込められています。電車の中で旭が七波に皆実の分まで幸せになってほしいと願い、それを厳粛に受け留める七波のシーン。信州の美しい自然の中で一夫と一美の心が一体となってピアノを奏で歌うシーン。生きることの意味はこのようにして受け継がれて来て、これからも受け継いで行かなければならないのだということをしみじみと教えられます。生きていくということは、こうやって死んだ者のことを思いながら前向きに生きていくことであり、間違っても人を殺したり(生物学的にも精神的にも)自分で自分を殺したりしてはならないというメッセージもまた込められていると思いました。
 ソウルのホテルの窓から梅雨空に煙る遠景を見ながら、こんな風に生きることの意味に想いを巡らすことができて感謝でした。

中村ゆりさんの眼に恨(ハン)の奥深さを見た気が…2007年06月12日 00時37分

 土曜日の昼、川崎チネチッタで「パッチギ LOVE & PEACE」を見ました。暴力シーンは嫌いですが、それを除けばとてもいい映画だったと思います。見て良かったとつくづく思いました。
 一番心に突き刺さったのは、中村ゆりさん演じるキョンジャが差別的な発言をする相手を見るときの眼でした。何ヵ所かありましたが、どれも心を揺さぶられました。一言で言えば、怒りを含んだきつい眼と言えるのでしょうが、悲しみも含んだ表情であり、本人だけでなく民族全体の怒りと悲しみを含んだ、とても深い表情の眼と感じられ、秀逸なシーンであったと思います。演技の経験の少ない中村さんからこの眼の表情を引き出すのに、いったい井筒監督はどれだけ彼女を追い込んだのか、或いはあっさりと引き出すことができたのか、私には分からないですが、それは中村ゆりさん自身が在日韓国人であるが故にできたことなのだと思いました。
 中村ゆりさんが在日だということは朝日新聞の記事で知っていたのですが、このブログを書くために確認のためネットで検索していたら、思わぬことも分かりました。南果歩さんも在日だったのですね。今の今まで知りませんでした。これまで見た私の日本映画No.1は「ニライカナイからの手紙」(「夕凪の街 桜の国」の試写を見て「夕凪」がNo.1になりましたが、公開された映画では今のところ「ニライカナイ」がトップです)であり、母の娘への愛情に満ちた声が切々と心の奥底に響くこの映画のクライマックスの声の主の南果歩さんが在日だったんだということに妙に納得してしまいました。韓国・朝鮮の民族性が論じられる時によく出てくる「恨(ハン)」というものの奥深さを、中村ゆりさんの眼と、南果歩さんの声に見たような気がしました。