佐々部映画2006年01月02日 08時45分


 帰省先の静岡から戻ってきた。
 新幹線の静岡駅で「こだま」を待っている間、何本もの「のぞみ」が猛スピードで眼前を通過して行った。こんな風に時代の先端を疾走して行く人もいれば、スピードにはこだわらず一歩一歩着実に歩みを進めて行く人もいる。
 映画の佐々部清監督は後者だ。
 1編の映画を見て感動を受けた時は「知性」「感性」「霊性」のどれか1つが刺激された時だと思う。これだけで十分にいい映画だが、2つが感応する時は素晴らしい映画だ。佐々部監督の『カーテンコール』と『チルソクの夏』には「知性」と「感性」を大きく揺さ振られた。
 そして3つを動かす力を持った映画は稀だ。『四日間の奇蹟』はこの3つを揺さぶる力を持ったスケールの大きな映画であったと思う。佐々部監督自身にとっても120%の自信作だったらしい。
 この『四日間の奇蹟』と『チルソクの夏』はDVDが出ており、『カーテンコール』はまだまだ劇場で公開中なので是非多くの人に見てもらいたいと思う。
 映画に限ったことではないが、作り手が何かを発信しても受け手の感度が低ければ受信することは不可能だ。私自身もこれらの感受性を鈍らせることなく常に研ぎ澄ませていたいと思う。
 スピードや効率を重視し過ぎるとこれらの感受性のどれかが犠牲になることも肝に銘じておきたい。