大雪に想う2006年01月11日 07時29分

 私が北海道の大学を受験した時、北海道は大雪だった。
受験日の2日前は猛吹雪で道内の空港は閉鎖、国鉄も運休していた。
この日に羽田から千歳に入ろうとしていた私は飛行機が欠航になっていたため、やむなく翌日の便を予約(これは空港まで一緒に来てくれた父がしてくれた)、一旦静岡に戻って翌日また羽田に向かった。当時(今もそうかもしれないが)の私はよっぽど頼りなく見えたのか、今度は兄が羽田まで一緒に来てくれた。
 その日も北海道の天候はまだ十分には回復しておらず、飛行機はともかくも離陸したが、着陸できずに引き返す可能性もあると機内のアナウンスは告げていた。機内には受験生も多く、無事着陸できた時には拍手が起こった。札幌市内のホテルには、いとこが来てくれていた。
 無事合格できて1年生のクラスの自己紹介の時(岩井俊二監督の『四月物語』みたいな感じ)、話題の多くは自分がいかに苦労して受験場にたどり着くことができたか、ということだった。道内の国鉄もストップしていたため、受験生同士のタクシーの相乗りで長距離移動した者も多くいた。受験開始ぎりぎりに到着することができた者もいた。道外からの受験生で飛行機から国鉄に切り替えて移動することにした者の中には、結局たどり着けなかった者もいたようだ。
 受験日の前日に北海道に降り立つまで、自分がどんな心境でいたのか、どうしても思い出せない。あまり心配した覚えがないのだ。たどり着けないはずがないという根拠の無い自信をもっていたのか、或いは受験できなければ東京の大学に行けばいいと思っていたのか。全く覚えていないのだが、何だか前者の、妙な確信を持っていたような気がしてならない。

コメント

トラックバック