『世界の中心で、お風呂に入る』(1)2010年12月13日 22時03分

 下記のような文章を書き始めました。これは必ず書き上げるつもりでいます。このブログで全文公開するかどうかは、まだ決めていませんが、できるだけ公開していこうと、今の段階では思っています。また、タイトル(笑)は、もしかしたら変更する可能性もあります。


     『世界の中心で、お風呂に入る』(1)
     ~ヨハネの福音書の恵みに浸る~
                                S.KOJIMA

1.はじめに
 世界の中心で、お風呂に入ったら気持ちが良いと思いませんか?
 でも世界の中心って、一体どこでしょうか?片山恭一氏のベストセラー小説『世界の中心で、愛をさけぶ』(2001)ではオーストラリアのエアーズロックが世界の中心でした。主人公の朔太郎は、飛行機に乗ってオーストラリアに行きました。
 私がこの小文でご紹介する「世界の中心」は、あなた自身です。ただし、「一人でいるあなた」ではなく、「神と共にいるあなた」です。一人でいるあなたが世界の中心であると思ったとしたら、それは単なる自己中心です。しかし、神が一緒にいるなら、あなたのいる場所が世界の中心になります。あなたがどこにいても、~日本でも韓国でもオーストラリアでも~、あなたがいる場所が「世界の中心」です。それは、本当に心地の良い世界で、まるでお風呂に入っているようです。
 これまで明らかになっていませんでしたが、新約聖書のヨハネの福音書は特別な構造を持っており、読者が神の豊かな恵みの注ぎを「世界の中心」で受けることができるようになっています。これから少しずつ、このヨハネの福音書の隠された構造を説き明かしていくことにします。そして、共にこの素晴らしい神の恵みに浸ることができるようになることを願っています。(つづく)

『世界の中心で、お風呂に入る』(2)2010年12月13日 22時58分

2.世界についての書
 「世界」はギリシャ語で「コスモス」と言います。ギリシャ語で書かれた新約聖書の4つの福音書の中に「コスモス」が何回使われているかを調べてみると、ヨハネの福音書は他の福音書に比べて「コスモス」を圧倒的に多く使っていることがわかります。
 マタイの福音書は9回、マルコの福音書とルカの福音書はわずか3回なのに対して、ヨハネの福音書では何と78回!も「コスモス」が使われています。つまり、ヨハネの福音書は世界について書かれた書なのです。
 また、イエスが十字架に付けられた時、「ユダヤ人の王ナザレ人イエス」という罪状書きは、ヘブル語、ラテン語、ギリシャ語で書いてあったとヨハネの福音書19章20節にあります。マタイ・マルコ・ルカにも罪状書きについての記述がありますが、複数の言語で書いてあったと記しているのはヨハネだけです。ヨハネの福音書が世界を強く意識していたことが、ここからも分かります。