『東京難民』2013年01月15日 09時07分


 佐々部監督が現在撮影中の次回作の原作、『東京難民』(福澤徹三・著)の古書を買って読みました。

 以前、東京の職場に勤めていた時には、高い新品と安い古書の両方が入手可能な場合、例外なく必ず新品を買っていました。古書は前の人の使用感が気になって買う気がしなかったのです。ただし絶版になった古い本で古書しか手に入らない場合には、仕方なく古書を買っていました。

 今は節約のため、高い新品と安い古書の両方が入手可能な場合は、ぼぼ例外なく古書を買います。前の人の使用感もほとんど気にならなくなりました。そう意味では『東京難民』の主人公が落ちて行く過程と少し重なる部分もあるかなと思いました。

 さて『東京難民』ですが、私は職業柄、ババさんのことが非常に気になりましたが、ババさんの掘り下げが中途半端だったなと、読後に少し物足りなさを感じました。そして著者の立ち位置も、ババさんを尊敬する人々の側なのか、そうでない側なのか不明なのも気になりました。それゆえ主人公の行動について著者自身はどう考え、特に最後の主人公の選択も著者がどういう思いを持ってそのようにしたのか、今ひとつ分からず、モヤモヤ感が残りました。

 佐々部監督の映画では、どのような結末になるのでしょうか。楽しみに完成と公開を待ちたいと思います。

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