『マンデラの名もなき看守』2008年07月31日 09時42分

 静岡にシネ・ギャラリーという、単館系の良質な作品を上映してくれるミニ・シアターがあります。佐々部監督の『チルソクの夏』と『夕凪の街 桜の国』もここで上映されました。このシネ・ギャラリーが無ければ静岡では大手の派手な宣伝を打つ作品しか見られないことになってしまいますから、本当にありがたい存在です。
 さて昨日はここで『マンデラの名もなき看守』を見ました。いい映画でした。南アフリカ共和国初の黒人大統領となったマンデラがアパルトヘイト政策下で投獄されていた時の白人の看守が、マンデラの高潔な人格に触れて次第に変えられていく様が描かれています。はじめは周囲の白人と同様にバリバリの黒人差別主義者だった看守が良心の呵責にさいなまされるようになり、それが行動にも表れるようになります。しかし、そのことで本人だけでなく家族も周囲の白人から非難されるようになり、危険な目にも遭うようになります。それでも一旦良心に目覚めた彼は安定した生活を棄ててでも良心に従った行動を取るべきだと考えるようになります。
 自分を大きく変える存在に出会った時、天の声や良心の声に従って大胆に別の人生を歩み始める者たち。古くはアブラハムやモーセ、新しくは使徒ペテロやパウロがおり、もっと新しくは『チルソクの夏』や『夕凪の街 桜の国』に出会って人生が変わった人たちもいます。
 何が人を変えていくのかということのヒントをもらったような気がして感謝な映画でした。

「この世と調子を合わせてはいけません。いや、むしろ、神のみこころは何か、すなわち、何がよいことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知るために、心の一新によって自分を変えなさい。」
(ローマ人への手紙 12章2節)

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