田中麗奈さんの解説付きDVD2007年06月03日 21時29分



 『夕凪の街 桜の国』主演の田中麗奈さんって、どんな女優さんなんでしょうか。佐々部監督はじめスタッフの皆さんは撮影を通じていろいろ分かったと思いますが、我々、スクリーンを見るだけのファンは良くわかりませんね。
 田中麗奈さん主演の映画『暗いところで待ち合わせ』のDVDが先月末に発売になり、届きました。この映画の視覚障害者向け音声ガイドに関心があったので(もちろん、昨年この映画を劇場で見て感動したからでもあります)予約購入したのですが、何とこのDVDには本編再生中に天願大介監督による解説と、田中麗奈さんによる解説も聞けるという超豪華な特典付きです。まだ全部聞いていませんが、天願監督の演出意図の解説の中に田中麗奈さんってどんな人かが随所で聞けますし、田中麗奈さんの解説では盲目の女性を演じた時に何を思いながら演じたのか、監督さんはどんな人か、など、聞いていてすごく面白いです。田中麗奈さんって、こんな人なんだったんだ、ということが、今までより分かる充実のDVDです。

一粒の麦2007年06月09日 10時55分

 きょうは久々で映画に行く予定にしているので、ちょっとルンルンです(古い表現ですね)。連休中に「バベル」、「東京タワー」、「ロッキー」、そして、そのあとに「眉山」を見ましたが、その後は映画館から遠ざかってしまいました。自分の作品である論文にまた掛かりきりになってしまったからです。某誌でボツになったものに大幅に加筆して他誌に昨晩やっとで投稿しました。全く新しいことを主張しているので、採択になるかは、神のみぞ知るです。
 きょうは昼過ぎからチネチッタで「パッチギ LOVE & PEACE」(ネットで予約済み)を見て、川崎から新横浜に向かい、新幹線で静岡に帰省します。明日は父の7回忌の法事があります。
 父が今でもまだ生きていたら、今の私はどんな生活をしているのだろうと、時々考えます。きっと今でも暗闇の中を歩いていたと思います。父が死ななければ、高津教会に足を踏み入れることはなかったでしょう。「チルソクの夏」という映画には出会っても、チル友と出会うことはなかったのではないかと思います。「チルソクの夏」で私が一番心を揺すぶられたのが山本譲二さん演ずる父親の娘に対する激しい言葉だったからです。このような映画を作った監督さんに興味を持ち、この映画の企画を思いついたのが、佐々部監督のお父様が亡くなられて帰省した時だったということに共鳴できたのも、私の父が死んだからではないかと思います。

☆まことに、まことに、あなたがたに告げます。一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ、それは一つのままです。しかし、もし死ねば、豊かな実を結びます。(ヨハネの福音書12章24節)

7月7日と8日の予定2007年06月11日 12時36分

 7月7日は下関で「チルソクの夏」の七夕上映会があるので参加予定ですが、今年は上映後に監督さんや出演者を囲んでのチルソク同窓会が企画されており、また土曜日ということもあって、これまで参加したことがなかったニフティの日本映画街フォーラムの元メンバーの面々も続々と参加表明するなど、すごい盛り上がりになりそうです。宿泊はいつものVホテルを予約しましたが、何時ごろ戻れることやら?
 翌日の8日は昨年同様、下関から広島に向かい、平和記念資料館に寄って一粒のタイルを見てから川崎に戻ることにしようと思っています。原爆ドーム前から相生橋を渡って平和記念公園に入り、平和の鐘、原爆の子の像、原爆死没者慰霊碑などを平和の祈りを捧げつつ巡ってから平和記念資料館に入り、私のタイルと再会したく思っています。もちろん展示もしっかり見てきます。体力が残っていたら案内のボランティアの人とゆっくり話しながら館内を巡りたい気がしていますが、ホテル帰還が朝だと、ちょっとつらいかもしれません。
 平和記念資料館を出たら市内を少しぶらぶらしてみようかなと思っています。「夕凪の街 桜の国」のポスターに出会えることを楽しみにしつつ。

中村ゆりさんの眼に恨(ハン)の奥深さを見た気が…2007年06月12日 00時37分

 土曜日の昼、川崎チネチッタで「パッチギ LOVE & PEACE」を見ました。暴力シーンは嫌いですが、それを除けばとてもいい映画だったと思います。見て良かったとつくづく思いました。
 一番心に突き刺さったのは、中村ゆりさん演じるキョンジャが差別的な発言をする相手を見るときの眼でした。何ヵ所かありましたが、どれも心を揺さぶられました。一言で言えば、怒りを含んだきつい眼と言えるのでしょうが、悲しみも含んだ表情であり、本人だけでなく民族全体の怒りと悲しみを含んだ、とても深い表情の眼と感じられ、秀逸なシーンであったと思います。演技の経験の少ない中村さんからこの眼の表情を引き出すのに、いったい井筒監督はどれだけ彼女を追い込んだのか、或いはあっさりと引き出すことができたのか、私には分からないですが、それは中村ゆりさん自身が在日韓国人であるが故にできたことなのだと思いました。
 中村ゆりさんが在日だということは朝日新聞の記事で知っていたのですが、このブログを書くために確認のためネットで検索していたら、思わぬことも分かりました。南果歩さんも在日だったのですね。今の今まで知りませんでした。これまで見た私の日本映画No.1は「ニライカナイからの手紙」(「夕凪の街 桜の国」の試写を見て「夕凪」がNo.1になりましたが、公開された映画では今のところ「ニライカナイ」がトップです)であり、母の娘への愛情に満ちた声が切々と心の奥底に響くこの映画のクライマックスの声の主の南果歩さんが在日だったんだということに妙に納得してしまいました。韓国・朝鮮の民族性が論じられる時によく出てくる「恨(ハン)」というものの奥深さを、中村ゆりさんの眼と、南果歩さんの声に見たような気がしました。

よき休日2007年06月17日 20時16分


 よい週末でした。昨日は大学の剣道部の同期会があり、午後2時から終電間際まで宴会がありました。札幌、金沢、大阪、松山から同期が集まり、楽しかったです。夜の3次会からは下の代も合流し、拡大同期会となりました。3次会の会場へ行く前に皆で東京タワーの辺りを散歩しました。照明がとてもきれいでした。
 きょうの午前は教会の礼拝にもちゃんと行きました。教会の週報に「夕凪の街 桜の国」のことが取り上げられており、感謝でした。公開が始まったら多くの高津教会員が劇場に足を運んでくれそうで、うれしい限りです。
 夕方は109CINEMAS川崎に行って「夕凪」の前売り券と扇子をもう少し仕入れ、その後で「しゃべれども しゃべれども」を見ました。上映前に「夕凪の街 桜の国」の予告編が流れ、ジーンと来ました。公式サイトにある予告編と同じものですが、やはり劇場のスクリーンで見ると迫ってくるものが全然違います。ここのところ、劇場は専らチネチッタに行っていましたが、これからしばらくは「夕凪」の予告編が流れる109CINEMASに行こうと思いました。「しゃべれども」は期待したより良かったです。いい映画でした。でもラストのつながりがあまり良くなく、もう一工夫ほしいと思いました。桂枝雀の落語を子役が好演していたのには感心しました。枝雀師匠の芸風を久々で思い出し懐かしかったです。
 いまWOWOWで「フラガール」を見ながら、このブログを書いています。劇団巌流の六甲おろしポン吉さんがバッチリ写っているらしいのですが、劇場で見た時は全然気付きませんでした。クライマックスのシーンのところにいるということなので、そちらも楽しみです。
(追記)
 ポン吉さんとサリーさん、いましたね。久々で「フラガール」を見ましたが、やっぱり面白かったです!

プレステージ2007年06月20日 01時37分

 少し時間に余裕ができてきたので、きょうの夜は前から気になっていた「プレステージ」を品川で見てきました。
 すごい映画でした。人は名声を得るためなら、ここまでやるのか。これはマジシャンの世界だけの話ではないと思いました。我々、教育・研究の世界にいる者はもちろん、映画を作る人、出演する人、どんな世界にいる人でも大なり小なり人に認められたい、賞賛を得たいという思いは持っているものでしょう。
  ホメラレモセズ
  クニモサレズ
  サウイウモノニ
  ワタシハナリタイ
この宮澤賢治の「雨ニモマケズ」が人々の共感を呼ぶのも、人に褒められたいという気持ちから、なかなか自分を解き放つことができないからこそのことだど思います。
 それほどに名声を求める気持ちは人が生きて行く上で味わう苦悩と切っても切れない関係にあるのだと思います。
 ですから、この映画の日本語字幕ではprestigeを一般に訳されているごく普通の「名声」とすべきだったと思います。何でわざわざ「偉業」という訳語を使ったのか、さっぱり分かりません。

文科省特選おめでとうございます2007年06月20日 12時35分

 『夕凪の街 桜の国』の公式サイトを見に行ったら新着情報欄に
  「文部科学省特別選定を頂きました」
とありました。
 やりましたね。おめでとうございます!
 文科省選定と特選とでは全然違って、特選だと学校関係への宣伝がかなりやりやすくなると聞いています。これでまた、子供から大人まで多くの人に見ていただくための道が開かれましたね。
 私もますます応援がんばります。

映画監督情報2件2007年06月22日 07時23分

(1)山田洋次監督
 6月25日(月)18:30より東工大大岡山キャンパスで講演があります。入場無料で学外の一般者にも開放された講座です。電車にも広告がありましたから、早めに行かないと席が確保できないと予想されます。詳しくは下記URLにあります。
 http://www.cswc.jp/lecture/lecture.php?id=5

(2)佐々部清監督
 NHKの「トップランナー」への出演が決まったそうです。
 スタジオ観覧希望を下記URLで受け付けています。
 https://www.nhk.or.jp/tr/form.html

 どうやら収録予定日は私の毎年恒例の韓国出張と重なってしまっているようです。残念!

主は私の羊飼い2007年06月23日 06時29分

 一昨日の晩、久し振りに剣道をした後で食事をしながら何か面白い番組をやっていないかとテレビのリモコンを操作していたら12チャンネルで「羊飼い王選手権」というのをやっていて、これがスゴク面白かったので途中からでしたが真剣に見入ってしまいました。
 能天気な顔をした羊たちが勝手気ままな方向に進もうとするのを羊飼いと牧羊犬が上手に軌道修正するのを見て、まさに我々は迷える羊で主は羊飼いであると思いました。

 主は私の羊飼い。
 私は乏しいことがありません。
 主は私を緑の牧場に伏させ、
 いこいの水のほとりに伴われます。
(旧約聖書・詩篇23篇より)

 山口県の角島に映画『四日間の奇蹟』の撮影用に建てられた教会の姿が私たちを強く引きつけるのも、羊のようにさまよう私たちをやさしく見守っていてくださる主がそこにおられることを、心のどこかで感じるからだろうと私は思っています。

『転校生』2007年06月24日 05時41分



 昨日が初日だった映画はいくつかありましたが、私はこの『転校生』を選びました。これは良かったです。たぶん、あと何回かは見にいくことになるでしょう。2回目は多分今日中に。2度、3度と見てもよいと思った映画は今年見た映画ではこの『転校生』が初めてです(試写で見た『夕凪の街 桜の国』を除いて)。私は映画は基本的に1日に1本しか見ないことに決めています。せめてその日一日は、その映画のことだけを思い返していたいからです。ですから何回も同じ映画を見れば、必然的に他の映画を見る機会が減ってしまいます。そうであっても、この『転校生』はあと何回も見てみたいです。
 大林宣彦監督の尾道三部作は『時をかける少女』しか見ておらず、オリジナルの『転校生』は見ていません。ですから、前作との比較については全く分かりません。純粋に今回の作品を良いと思いました。
 何がそんなに良かったのか。昨夜から考えていますが、まだ考えはまとまりません。いろいろな要素がちりばめられていて、それらのほとんどが良いのですが、しかし私は『武士の一分』のようなシンプルな映画をどちらかと言えば評価するほうだと思いますから、この映画が持つ多様性を評価したわけではないと思います。結局のところ、蓮佛美沙子という女優さんの魅力なのだろうと思います。
 しかし彼女の魅力が一番の原因というのも不思議です。映画の最初のほうのシーンでは、私は彼女にあまり魅力を感じていなかったからです。あとでパンフレットを見て『犬神家の一族』と『バッテリー』にも出演していたことを知ったのですが、私は両方とも劇場で見たのに彼女のことは全然記憶に残っていませんでした。それほど私にとっては印象が薄かった彼女に映画が進行するにつれて次第に引き付けられ、映画が終わった頃にはすっかりファンになっていました。もっとかわいい女優さんは他にたくさんいると思いますから、それはつまり、この映画の中にも出てくる言葉で言えば、彼女のオデコがかわいいとかアゴの形が好きだとかではなく、もっと別のものではないかと思います。それが何なのか、あと何回か見ればわかるかもしれません。女性としての彼女ではなく、男性としての彼女に特に魅力を感じたこともヒントになりそうです。
 私が見た夕方の回は客の入りがあまり良くありませんでした。もっと多くの観客が入るべき映画だと思いました。