いま会いたい人2007年07月05日 17時56分

 転校生菌に感染した(5回見ました)私が夕凪のことを忘れているんじゃないかと心配してくださっている方がいますが、そんなことはありません。本当は『夕凪の街 桜の国』のことをもっと書きたいのですが、重くなるので書けずにいます。どう重いかと言うと、私は20代半ばから30代半ばまでの約10年間、核融合中性子と核分裂中性子による材料の照射損傷の研究に携わっていましたから、実験で放射性物質の取り扱いをしていましたし、原子炉の専門家ほどではないにしても一般の人よりは核反応についての知識もあります。それで『夕凪』を見て以来、頭の中でよく広島の原爆の中のウランの原子が核分裂を起こしてから、どのようにして時々刻々反応が進み、周囲を変化させて被害を与えたかを考えるようになってしまいました。そんなことを考えていると『チルソクの夏』のエンドロールのバックの写真の最後を飾る高跳びのバーを超す郁子の背後に光る夕陽までがピカに見えてしまうのです。これ以上書くとチル友のひんしゅくを買うので、やめておきます(書けずにいると書いておきながら、書いてしまいました)。
 それで今日もまた『転校生』のことを書きます。この映画のエンドロールではスタッフの名前がまず流れます。それで比較的最初のほうに脚本ベーシックプラン担当と監督助手として山内健嗣さんの名前が出てきます。山内さんは『出口のない海』の監督助手も務めていたのでエキストラ参加時にはお世話になり、また、1000人上映会の時に春風さんが紹介してくださり、挨拶をしました。それぐらいのご縁だったのですが、5月に『未来予想図』のエキストラに『出口のない海』のバッグを肩に掛けて参加した時、やはり山内さんも同じバッグを肩に掛けてエキストラ担当の助監督を務めていましたので、同じバッグの縁で少し親しく話ができました。その山内さんが『転校生』に携わっていたと知り、またお会いする機会があったらこの映画についていろいろ聞いたり話したりしたいなあなどと思っています。

たまには、つまらない映画もいい2007年07月07日 06時35分

 きょうは下関で『チルソクの夏』を見ます。このところ『転校生』ばかり見ていたので間にワンクッション入れたくなり、昨晩、別の映画を見ました。いい女優さんが出演している映画ですが私にはつまらない映画でした。でも不思議と腹は立ちませんでした。こういう映画を見ると自分が良いと思った映画の良さがますます引き立ち、いっそう好きになりますから、つまらない映画もそれなりの効用があるものだと思いました。人の好みはそれぞれですから、この映画を面白いと思う人がいても不思議ではありませんが、でもやっぱり不思議です。タイトルを書くのはやめておきます。

下関そして広島2007年07月08日 22時34分

 この土日、下関と広島に行って来ました。
 下関では『チルソクの夏』の七夕上映会とチルソク同窓会があり、楽しい時を過ごすことができました。佐々部監督、臼井プロデューサー、出演者の水谷さん、桂さん、三村さん、福士さん、今回のイベントを企画してくださった関係者の方々、チル友の皆さん、そして劇団巌流第二級の皆さん、本当にどうもありがとうございました。
 きょうの日曜はイルカのおかげさんと新幹線で広島に向かいました。
 市内電車で八丁堀方面に向かうつもりが違う電車に乗ってしまい、皆実町方面に向かってしまったため、これ幸いにと「皆実町」の名が入った停車場の写真を撮ってきました。



 その後ふたたび八丁堀を目指し、7月21日に『夕凪の街 桜の国』の舞台挨拶が行われる予定の新天地のシネツイン2の下見をしました。



 イルカのおかげさんと昼食にお好み焼きを一緒に食べてから別れ、私は平和公園の方に向かいました。まず相生橋から、しばらく原爆ドームを眺めました。



 そして平和の鐘をついてから原爆の子の像に行きました。



 平和公園の中を歩いていると厳粛な気持ちになることができます。今まで見る順番を意識したことはありませんでしたが、こうやって心を整えてから資料館に行き、展示を見るのが良いと今日、気付きました。
 資料館では、いつものように「平和のキャラバン」のタイル画を眺め、



それから私の名前を確認しました。



 ここに私の名が刻まれている限り、これからも私は何度もここに通おうと思います。
 一通り展示物を見てから、広島駅へ戻る前に平和大橋の方へ行ってみました。



 『夕凪の街 桜の国』の原作のマンガで旭が京花にプロボーズする場面にある不思議な形の造形物は平和大橋の欄干だということをイルカのおかげさんが教えてくれたからです。
 嗚呼これこれ、これですね、確かにそうでした。

 今年の私の広島行きはまだ終わりません。

『夕凪の街 桜の国』サントラCD2007年07月12日 04時11分



 昨晩、帰宅したらネットで予約していた『夕凪の街 桜の国』のサウンドトラックCD が届いていました。
 ハープとオーボエの音が印象的な音楽だと思っていましたが、ハーモニカも入っていたんですね。どこか懐かしい響きだと思っていましたが、納得しました。
 今日はこれから広島に出張です。

中国新聞に監督と麗奈さん2007年07月13日 12時25分

 昨日(12日)から広島に来ています。昨晩、食事に行ったお店のご主人・奥さんとお客さんに『夕凪の街 桜の国』の宣伝をしっかりしてきました。初めて入ったお店でしたが、この映画の話題で盛り上がったので鑑賞券2枚を無料でご主人と奥さんに進呈してきてしまいました ^^
 このお店の奥さんが、中国新聞に佐々部監督と麗奈さんの記事が写真入りで載っていたよと教えてくださいました。ネット上にもありました。
 http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200707120018.html

 昨日から今日にかけて広電の五日市駅から宮島口駅の区間に乗車しました。この区間は12駅あり、そのうちの10駅に『夕凪の街 桜の国』の映画のポスターが貼ってあることを確認しました。見忘れた2駅にも当然貼ってあることと思います。広電の掲示板に貼ってある映画のポスターはこれだけで、短い間隔の駅ごとに貼ってありますから、この沿線の人々への認知度は抜群だと思います。何だかとてもうれしくなりました。

上々の前人気2007年07月15日 23時43分



 さきほど、出張から戻りました。きょうは大阪で全国規模の大きな進学説明会がありましたので、会場で外国人学生に受験案内をしていました。昨日の午前は広島でシネツイン2の前売り券を購入した後でいつものように原爆資料館へ行って自分のタイルと展示品を見て回り、今回は幟町の世界平和記念聖堂に寄ってから大阪へ移動しました。聖堂ではちょうど結婚式が行われていました。一般の来訪者は入れないと思いきや、入っても良いですよと言われたので、後方の座席で参列させてもらいました。式のフィナーレを飾る荘厳なパイプオルガンの響きには感動で全身がゾクゾクしました。この聖堂の雰囲気は本当に素晴らしいです。これからは原爆資料館とセットでこの聖堂も必ず訪れるようにしようと思いました。
 シネツイン2の今回のチケット販売数は148席分で、1人につき2枚までという制限付きでした。9:30の発売開始でしたが、8時から9時にかけて急激に行列の人数が増えて9時には70名に達しましたから、9時10分以降に並んだ人はチケットを買えなかっただろうと思います。私はン時から並んでいました。一番早い人は前日の午後6時から、2番目の人は午前3時から、3番目の人は5時から並んでいたそうです。私も含めてオタク系の男性が結構多かったですが、それに負けず劣らず、女子中学生や若い女性、年配のご婦人や紳士風の男性もたくさん並んでいて、この作品の前人気の高さがうかがえました。

地震報道の不思議2007年07月16日 10時42分

 休日の今日、川崎の自宅でパソコンに向かっていたら10時15分頃、お尻に地震の初期微動のようなものを感じました。次第にはっきりと揺れを感じるようになり、ゆったりと長周期で長い時間、横揺れが続きました。
 初期微動を感じた直後にテレビを付けるとNHKで早くも日本海側に津波注意報が出ていました。最近は素早く報道するようになったと感心しましたが、10時42分現在、NHKでは柏崎・刈羽原発の状況については、一切報道されていません。
 と思っていたら10時46分頃になってやっと、原子炉が自動停止したというニュースが1回だけ流れました。
 このような大地震の場合、原子炉の安全は確保されているかどうかを、まず真っ先に報道すべきではないでしょうか。万一放射能漏れなど起きたら大変で、心配している人も多いと思います。ほとんど報道されないのは、何か隠しているのではないかと、疑いたくなってしまいます。(10時52分)
(追記)
 柏崎・刈羽原発についての第1報はNHKでは遅かったですが、他局ではもっと早く報道したところがあったようです。原発に事故があった場合、地震の直接の被害がなかった地域にも放射能や放射線の被害が及ぶことが考えられるのですから、原発がある地域に地震があった場合には、まず真っ先に原発の状況を報道してもらいたいものだと思いました。
 私は原発廃止論者ではありませんが、こういう大きな地震がある地域に原発があるのは、かなりマズイのではないかと思います。ここの原発ではありませんが、制御棒が抜け落ちる事故について報道されたのは記憶に新しいところです。地震で制御棒の駆動系に異常が生じた場合、核分裂により発生した中性子の吸収が十分にできなくなり、原子炉が暴走する事態が生じる可能性は低いとは言えゼロとは言えないはずです。現に今日は3号機に電力を供給しているらしい変圧器が火災を起こしています。電力が供給できなければ原子炉の制御はできないでしょう。詳しいことは分かりませんが、かなり危険な状態であったとも考えられます。
 国は原子力政策の見直しなどしたくないでしょうが、今回の地震により大幅な見直しが必要になったと言えると思います。(13時20分)
(再追記)
 その後もこの原発については「放射能漏れはない」との情報ぐらいしか報道されていません。変圧器が火災を起こす前に原子炉の核反応が停止していたとしても、原子炉の温度がすぐに下がるわけではありませんから、きちんと冷却していなければ、危険な状態になるはずです。そう考えると変圧器の火災というのは、かなり重大な事故だったように思えてなりません。(20:00)

小さくて大きな映画2007年07月16日 18時42分

 以前から『夕凪の街 桜の国』を見ての感想をネットのレビューサイトに投稿したく思っていましたが、なかなか落ち着いて書ける時間がありませんでした。今週末からの広島先行公開を目前に控え、今日やっとで投稿しました。しかしこの映画の感想を文章にまとめるのは難しく、自分でも満足していません。ああ、もっとうまく書けるようになりたいです。

「小さくて大きな映画」
 この映画の試写を見終わった後、従来の映画の枠を突き抜けて、これまでに見たことがないほどにスケールの大きな映画だと思いました。決して製作費が多くはない小さな映画なのにです。この映画のどこにそんなスケールの大きさを感じさせるものがあるのでしょうか。私は次の3つを挙げようと思います。
 (1)悪の大きさ
 (2)時空間の広がりと連続性
 (3)人と人との心のつながり
 言うまでもなく、原爆という核兵器が実際に使用されたことは人類史上最悪の出来事であり、これ以上に大きな悪は思い浮かびません。原爆資料館の展示を見ると、アメリカが如何に周到かつ冷血に原爆投下を準備したかがよく分かります。原爆の破壊力を知るために目標都市への事前の空襲を禁止していたこと、予告なしの投下を決めたこと、模擬弾を使って数多くの投下練習をしていたこと、原爆と同時に各種の測定機器をパラシュートに付けて投下したことなど、その冷酷さに悪の大きさを感じます。
 この原爆の悪を描いただけでは暗く重い映画になってしまいますが、この映画では(2)と(3)がそれを包み込んでいます。まず舞台が富士山を挟んで広島と東京であること。この2つの街の間の移動手段がバスであることが、空間の広がりを効果的に表しており、悪を薄く広げる役目を果たしていると思いました。そして2枚の写真と髪留めが異なる時間に住む者たちを一つにつなげ、8月6日の出来事が過去の過ぎ去ったことではなく、今とつながっていることを教えてくれます。異なるはずの時代が混然と一つにつながっているところにこの物語の独特の味があり、スケールの大きさを感じさせてくれます。この原作にはない2枚の写真と髪留めが原作の持ち味を一層引き立たせている点にこの映画の見事さがあると思いました。
 そして人と人との心のつながりです。それは家族や職場の人たちとのつながりだけでなく、原爆を落とした人への「原爆を落とした人はわたしを見て『やった!またひとり殺せた』とちゃんと思うてくれとる?」という問い掛けにも強く表れていると思いました。落とした側は人を人とも思わない者たちであるのに対し、落とされた側の者は落とした者をちゃんと人として見ています。ただ憎むのではなく、人を人として見ているところに独特の優しさが感じられます。麻生久美子さんはそれを見事に演じきったと思います。憎むだけでは戦争はなくなりませんが、この優しさに微かな光が感じられます。そして、そんな伯母の心を姪の田中麗奈さんが受け継いで行こうとしているところに希望の光が見えてきます。
 小さな映画なのに巨大な悪を柔らかな希望の光で包み込んでしまう、そんな不思議なスケールの大きさを持つこの映画を私は「小さくて大きな映画」と呼びたいと思います。

発売中の漫画アクションは水着&夕凪2007年07月18日 22時07分


 左の写真で注目すべき場所はもちろん、ほしのあきではなく、一番下の『夕凪の街 桜の国』大特集という部分です!
 でも私としても夕凪ファンの大義名分の下に、このお宝DVD付きのアクションを堂々と買えてうれしかったです ^^;
 特集その1は田中麗奈さんとこうの史代さんとの特別対談、特集その2は映画の見所、特集その3は撮影現場の密着レポートです。そしてグラビアアイドルの動画が満載のお宝DVDにも映画の予告編とクランクアップ記者会見の模様が納められています。
 グラビアアイドルと夕凪とがワンセットというのは、男としてはうれしいですが ^^;、夕凪ファンとしては、あまりうれしくありません。でも、グラビアアイドル目当てで買って夕凪にも関心を示す人が少しはいるかもしれませんから、それでよしとしましょう。しかし、そんな人いますかね~?

キネ旬の作品特集2007年07月19日 23時35分



 キネ旬最新号が帰宅したら届いていました。『夕凪の街 桜の国』の作品特集が載っていました。佐藤忠男氏の作品評「原爆の子であることに積極的な意義を感じとる視点」に読み応えを感じました。