一粒のタイル

　韓国人の李さんが経営しているお店です。李さんが焼き鳥を焼き、その他の従業員やバイトも全員韓国人です。
　韓国で焼き鳥屋というのは、ただでさえ珍しいと思います。しかもスタッフが全員韓国人というのは、他に無いんじゃないかと思うぐらい、珍しいことだと思います。
　先月、韓国へ２泊３日で行って来た時、二晩とも、この店に行きました。せっかく韓国に行ったのに、いつもの南大門市場の屋台にも行かず、日本の焼き鳥と日本の居酒屋メニューにある品を食べていたわけですが、全然後悔はありませんでした。韓国人の青年が、このように日本の食文化を韓国の人達に紹介してくれているのが、うれしくて仕方がなかったからです。こういう李さんみたいな人を本当の日韓の架け橋と言うんだな、とつくづく思います。十分な国際経験もなくネットから仕入れた知識だけで韓国批判の稚拙な文をネットに送り続ける日本のオタクに腹を立てていたので、李さんのことを紹介したくなりました。
　店は韓国人の若い人達で満席状態でした。韓国駐在の日本人もたまに来るそうですが、私が行った時は韓国人だけでした。25人ぐらい入れる店ですが、いつも満席状態なので店を改装してもっと客が入れるよう李さんは業者と打ち合わせをしていました。ですから、今頃は改装した店舗で営業しているはずです。
　開店して１年半ぐらいのお店ですが、最初のうちはほとんど客が入らず苦労したそうです。それが、段々クチコミで広がって今の大繁盛になりました。
　李さんは私が良く行く川崎の居酒屋チェーンでバイトをしていたそうです。私は李さんのことを直接知らなかったのですが、そのチェーン店の店長さんが李さんのソウルの店のことを教えてくれたので、ソウルに行ったとき、晩御飯を食べに行ってみたのです。
　「天下」はソウル地下鉄６号線623番の上水（サンス）駅の２番出口から徒歩３，４分ぐらいのところにあります。極東放送を通り過ぎてしばらく行くと右側に登り急勾配の細い路地があります。その路地に入ってすぐ右側にあります。