『バルトの楽園』(2) 歓喜の歌2006年06月20日 06時39分

パンフレットより

 『バルトの楽園』は見どころの多い映画だったと思う。
でも物足りなく思ったり、アレレと思う箇所もいくつかあった。
昨日書いた「弾くマネだけのヴァイオリン」もそうだし、第九が最高潮に達した時に所長の執務室で髭をいじっている松健さんにもアレレと思った。映画の構成上そうすることは分からないでもないが、普通は客席にいるでしょう。

 合唱の歌詞の訳も字幕で示して欲しかった。私自身、今までこの第九の合唱の歌詞をじっくり味わったことがなかったので、ぜひ歌詞を見たい、…と思っていたらパンフレットに歌詞が出ていた。
「一人の友」に感謝します。
 次回、『バルトの楽園』(3)として、下記の歌詞にある「一人の友」について書いてみたいと思います。

「歓喜の歌」

おお 友よ、この調べではない!
もっと快い、喜びに満ちた調べに、
ともに声を合わせよう。

歓喜よ、美しい神々の花火よ、
天上の楽園の乙女よ!
われら情熱に溢れ、崇高な、
あなたの聖所に足をふみ入れる。
あなたの奇しき力は、
時の流れが厳しく切り離したものを、
再び結び合わせ、
あなたの柔らかい翼の留まるところ、
すべての人びとは兄弟となる。

大いなることに成功し、
一人の友の友となり、
優しき女性を得た人は、
歓喜の声に唱和せよ!
そうだ、この地上でただ一つの魂しか
自分のものと呼ぶことができない者も!
そして、それを出来なかった人は、
この集いから泣きながら立ち去れ!

あらゆるものは 自然の乳房から歓喜を飲み、
すべての善人も、すべての悪人も、
薔薇の小径をたどる。
自然は 私たちに接吻と葡萄酒と、
死の試練を受けた一人の友を与えた。
虫けらにも快楽が与えられ、
天使ケルビムが 神のみ前に立つ。

太陽が大空の広壮な平地を飛翔するように、喜ばしく、
兄弟よ、君達の道を走れ、
勝利に向かう勇士のように楽しく。

抱き合え、幾百万の人びとよ!
この接吻を全世界に!
兄弟よ!
星空の上に愛する父なる神が住んでいるに違いない。

君達はひれ伏すか、幾百万の人びとよ?
創造主を予感するか、世界よ?
星空のかなたに創造主を求めよ!
星々の上に創造主が住んでいるに違いない。

(㈱河合楽器製作所・出版部)より転載したパンフレットより