映画人九条の会・たかつ九条の会2006年06月16日 17時40分

 学生の頃から、憲法9条は守るべきだという考えを持っている。誰に言われたというわけでもなく、それが一番自分にしっくりくるからだと思う。信仰を持つようになってからは、なおさらだ。その考えはいささかも変わらず今に至る…はずだった。しかし、先日韓国ソウルの戦争記念館で韓国がPKOの海外派兵で国際貢献をしている様子を誇らしげに展示しているのを見て、憲法9条の問題を自分の中で思考停止状態に置かず、考え直してみるのも悪くないのではという気になった。もっと考える機会を自ら作る必要性を感じた。
 そんな時、高遠菜穂子さんたちが主催するイラクホープネットによる「イラク人カメラマンは見た!イサーム・ラシード氏緊急報告会 ~映像が語るイラク市民の悲劇~」という報告会があることを知り、水曜日の晩に参加してきた。イラク国内では今、一般市民が米兵や民兵、イラク警察により次々に惨殺される凄惨な状況が繰り広げられているということを映像を通じて知った。罪無き一般市民の家も少しでも怪しいと思われてしまうと家宅捜索を受けて家の中をメチャメチャにされ、逮捕され、拷問を受ける。少し前までファルージャ、今はラマディがこのような状況にあるそうだ。イラク軍や警察による拷問は米軍のやり方を受け継ぎ、より残忍になっているそうだ。タバコの火を押し付けたり、最近は電気ドリルで体の表面に穴を開け塩酸を流し込むという方法がよく取られているとのことだ。シーア派、スンニ派の争いもアメリカがもたらしたもので、米軍による攻撃以前には両派間に争いはなかったそうだ。イラクにこのような地獄をもたらしたアメリカを支持し、自衛隊を派遣している日本も同類であるとイラク人に思われても仕方がないことであろう。イサーム・ラシード氏はイラクの復興を支援するなら軍隊ではなく、民間の人に来てもらいたいと訴えていた。
 自衛隊を海外に派遣する以外で国際的に貢献できる道をもっともっと考え、実践していくべきだろうと強く思った。憲法9条を守るべきという考えは私の中で一層強くなった。 それで「九条の会」に関心を持ちネットで検索していたら、「映画人九条の会」という会があることを知った。結成呼びかけ人は、
 大澤 豊 (映画監督)
 小山内 美江子 (脚本家)
 黒木 和雄 (映画監督)
 神山 征二郎 (映画監督)
 高畑 勲 (アニメーション映画監督)
 高村 倉太郎 (日本映画撮影監督協会名誉会長)
 羽田 澄子 (記録映画作家)
 降旗 康男 (映画監督)
 掘北 昌子 (日本映画・テレビスクリプター協会理事長)
 山内 久 (脚本家・日本シナリオ作家協会理事長)
 山田 和夫 (日本映画復興会議代表委員)
 山田 洋次 (映画監督)
の各氏とのことで、私が敬愛する山田洋次監督、降旗康男監督や、先日亡くなられた『父と暮らせば』の黒木和雄監督も名を連ねている。私も「映画愛好者」として参加することを迷わず決めた。ここ半年、佐々部監督の映画の良さを語るための比較材料として映画をなるべく積極的に見るようにしてきたが、いま思うと、それは「映画愛好者」の資格を得るためだったのかもしれない。
 7/15に結成1周年集会を行う「たかつ九条の会」もできる限り応援しようと思う。