『母に捧げるラストバラード』 ― 2006年06月11日 18時50分

松本じゅんさんは、武田鉄矢さんのお母さんのイクさんが営む「武田たばこ店」の近所のおばちゃん役で大活躍であった。何度も着替えて出たり入ったり、奮闘していた。この芝居は、役者さんが着替えてメークを直す場面がかなり多く、役者さんにとってはハードな芝居だと思う。特にそう思ったのは、武田イクさんが亡くなる直前の、子供たちがまだ若かった頃の回想シーンだ。鉄矢さんの役だけは子役がやっているが、娘役の沢田亜矢子さん、麻丘めぐみさんなどは、このたった1分ぐらいの回想シーンのために、再び最初の場面の衣装(セーラー服!)とメークに替えて出てくるのだ。映画だったら同じフィルムを使うだけで良いが、舞台だとこれだけの手間を掛けないと回想シーンができないのだ。でもやはり、ここで一番涙が出た。舞台を感動的なものにするには労力を惜しまない姿勢が凄いと思った。
第二部の海援隊のライブでは、実際の武田たばこ店の写真、武田イクさんの写真を流しながらのスライドショーが冒頭にあり、私の涙腺はすっかり緩んでしまった。母親思いの武田鉄矢さんのステージを静岡の母と一緒に見られたのは、幸せなことであった。母とは、昨年の明治座八月公演の「わかば」も一緒に見た。母には長生きしてもらって、まだまだこういう楽しい時を一緒に持ちたいと思った。観劇後は東京の兄一家も合流して楽しい宴会となった。楽しい観劇の機会を作ってくださった松本じゅんさんには改めて感謝申し上げたい。
さて、きょう6月11日は、5年前に父・政春が天に召された日だ。このブログの右上に掲げてある自作の空想小説『天上の音楽村』は父が主人公だ。いつか天でまた我々家族が一緒になることを願って、この話を書いた。未読の方は読んでみてください。
なお、『母に捧げるラストバラード』に出演中の松本じゅんさんの日記や掲示板は
http://www.hpmix.com/home/junkin39/
で見ることができます。
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