ソウルで『夕凪・桜』と『転校生』のことを考えています2007年06月29日 13時38分



 昨日の早朝に自宅を出て昼過ぎにソウルに着きました。空港から仕事先に直行して昨日の夜までに予定していた仕事の大半が終わってしまいましたので今日の午前はホテルでのんびりしています。ここのホテルは眺めがいいので好きなのですが、難点は部屋でインターネットができないことです。そのことをうっかりしていて予約してしまいましたが、今はそれもかえって良かったと思っています。メールチェックに心を乱されることなく物想いにふけることができるからです。いま持参したPCでこのブログの日記を書いていますが、後でインターネットができる場所からこの日記をアップしようと思っています。
 ソウルに来る前の今週、火曜の晩は『夕凪の街 桜の国』の試写の2回目を、水曜の晩は『転校生 さよならあなた』の3回目をレイトショーで見ました。共に心の奥底まで感動の波動が響きわたる良い映画だとしみじみ思います。この2つの映画の終わり方には共通点があります。<以下ネタバレ>
 どちらの映画にも先に死んだ者の思いをしっかりと受け留めて前向きに生きていくことの大切さがメッセージとして込められています。電車の中で旭が七波に皆実の分まで幸せになってほしいと願い、それを厳粛に受け留める七波のシーン。信州の美しい自然の中で一夫と一美の心が一体となってピアノを奏で歌うシーン。生きることの意味はこのようにして受け継がれて来て、これからも受け継いで行かなければならないのだということをしみじみと教えられます。生きていくということは、こうやって死んだ者のことを思いながら前向きに生きていくことであり、間違っても人を殺したり(生物学的にも精神的にも)自分で自分を殺したりしてはならないというメッセージもまた込められていると思いました。
 ソウルのホテルの窓から梅雨空に煙る遠景を見ながら、こんな風に生きることの意味に想いを巡らすことができて感謝でした。

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