『出口のない海』の時代の母校の校歌2006年07月15日 00時50分



 羽生善治さんは将棋の対局中に「玲瓏」という言葉を思い浮かべるそうだ。
 NHKのHPによれば、「玲瓏とは、透き通り、曇りのないさま。対局中に襲われる不安や迷い、雑念を取り払い、澄み切った心で盤面に向かうよう、自らを戒める。」とある。この解説を見て、少し前に私が『自己愛とエゴイズム』に書いた、「奥深い自分の声に耳を澄ませる」ことに近いものを感じ、「玲瓏」がそんなところにもつながっていることに、少し意外な気がした。
 なぜ意外だったかと言うと、「玲瓏」は私の母校の静岡高校の歌詞の一番にあり、私にとっては富士山を形容する言葉としてなじみの深い言葉だったからだ。この校歌は高校時代に歌っただけでなく、卒業してからも休みが取れれば夏の高校野球の地方予選や甲子園の応援に行き、スタンドで歌っているので、私にとっては過去の歌ではなく、今でも歌う歌だ。戦前に作られた校歌で、2番以降は軍国主義的だということで、我々はもっぱら1番のみを2回繰り返して歌っている。
 2番~4番は資料で見たことがあるだけだが、今回、ネットで検索してじっくりと見てみたら、大津島の回天記念館で読んだ回天乗組員の手紙と重なってきた。『出口のない海』の時代の人たちの思いに少しまた近づけたような気がする。

静中・静高校歌

岳南健児 一千の 理想は高し 富士の山
八面玲瓏 白雪の 清きは我等の 心なり

至誠を色に 表はせる 唐紅の 旗幟
義勇奉公 四つの文字 揚げて共に 進むべし

龍爪山の 木枯に 青葉が岡の 夏の日に
身心鍛ふ 大丈夫 文武の道を 励めいざ

御国の柱 礎と なりし祖先の 後継ぎて
大現神 天皇の 稜威を四方に 輝かせ

(引用元)
http://www.gg.e-mansion.com/~nabekatu51/kouka.html

 上の写真は回天発射訓練基地跡に通じるトンネル内に掲示してあった写真で、イ号潜水艦上の回天とその乗組員が写っています。

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