『悪人』を観て2011年11月07日 11時18分

 昨晩のTV放映で映画『悪人』を観ました。

 劇場公開時は横浜の寮にいたので自由に映画を観に行ける環境ではありませんでしたし、タイトルにも魅力を感じなかったのでパスしましたが、けっこう話題になった映画なので、どんな内容か知っておいた方が良いかな、ぐらいの感じで観始めました。

 ほとんど期待しないで観た映画だったのに、初めから画面に引き込まれ、劇場で観るべきだったなと思いました。人が抱える孤独感がずっしりと伝わってくる秀逸な作品だと思いました。

 この映画の登場人物の多くが孤独であり、人との絆を求めていました。主人公の二人はもちろんですし、犯人の祖母の孤独は観ていて切なかったです。そして被害者の両親もそれぞれ別々に孤独を感じているところなど、多彩な孤独を巧みに描いている映画だと思いました。

 このような多彩な孤独を描いている点において、私はこの春に観た『阪急電車』に似ていると思いました。題材も味付けも『悪人』と『阪急電車』とでは全く異なりますが、人との絆を求める孤独な人々の群像を描いている点において、似ていると思いました。そして、『阪急電車』の時も思いましたが、教会がこのような人々の孤独を癒す場所となることができるはずなのに、そうはなっていないことを残念に思いました。

 来春、どこの教会に遣わされるのかまだ分かりませんが、神学校を卒業して牧師になったら、孤独を抱える人が訪れやすい教会を作りたいと、強く思わされました。