いのち ― 2006年07月11日 12時50分

回天記念館では、回天の乗組員の家族に宛てた手紙の展示が痛々しかった。
香月泰男美術館では、子供のために作ったブリキのおもちゃの中に十字架に釘付けにされたキリストがいくつかあり、キリストの両手と足に釘を打ち付ける時の作者の心中を思った。特に解説はなかったが、作者がシベリアに抑留されていた時、自分が生き延びることだけで精一杯で、戦友が倒れていくのをただ見ているしかなかった罪を清めてほしいという願いが込められていたのではないのだろうか。
金子みすず記念館では、小さな生き物への優しい眼差しを持つ女性が26歳の若さで自らの命を絶ったことに思いを馳せた。それまで私は、彼女は病死したとばかり思っていた。
広島平和記念資料館では、被爆10年後に白血病で亡くなった佐々木禎子さんが病床で折り続けた鶴の展示をゆっくりと見た。
命の重さに対する思いがずっしりと心に残っても良さそうなものだが、すべて聖堂の中に解き放ってきてしまったようで、落ち着いた気分で振り返ることができる。
上の写真は折り鶴を高く掲げる「原爆の子の像」です。
『チルソクの夏』七夕上映会についても今週中に書きたいと思います。
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