脱力した海老蔵さんがいい2006年09月16日 23時52分

 きょうは『出口のない海』の初日。
 私は新潟で学会発表があった。
 朝5時半起床。
 6時半自宅を出る。
 10時半、新潟大学着。学会の午前のセッションを聴く。
 午後1時、午後のセッション開始、私も15分の発表をした。
 2時15分、午後の最初のセッション終了。終了後、いまは仙台にいる後輩のサト君と20分ほどディスカッションすることができた。有益なコメントをもらえて感謝だった。近々投稿予定の論文も彼のコメントでかなり補強できそうだ。
 上越新幹線の「とき336号」で16時13分に新潟を発つ。18時14分に上野で降りれば上野スタームービーで18時45分からの『出口のない海』を見ることができることが分かったので、上野で降りることにする。
 18時30分、上野スタームービー着。
 18時45分、鑑賞開始。『出口のない海』はこれで3回目だが、1回目はイイノホール、2回目は海峡メッセという大きな会場だった。やはり映画鑑賞はこの上野スタームービーぐらいのサイズの映画館で見るのがちょうど良いと思った。スクリーンに入り込むことができた。
 きょうは特殊兵器への搭乗を志願する前の2時間の休憩シーンが心に留まった。原作にはないシーンだが、このことにより軍隊の「歯車」としての並木ではなく、「人間」としての並木の幅を持たせることができた良いシーンだと思った。
 21時、上野から銀座線で自宅に向かった。さすがに今日は疲れたので車内でボーっとしながらこの映画のことを考えていたら、2時間の休憩中の便所のシーンが、思い起こされた。このシーンでの海老蔵さんの脱力した表情がいい。ついで、最後の意識が朦朧としている場面も思い起こされた。朝から新潟へ行って帰ってきて脱力していた私は海老蔵さんとの一体感を味わうことができた。眼力のある海老蔵さんは遠い存在だが、脱力した海老蔵さんはとても近く感じた。

コメント

_ 田中保子 ― 2006年09月21日 12時09分

小島さん

行ってきましたよ、昨日。テーマ音楽の旋律が大切な場面場面でたたみかけるように、いっそう気持ちを盛り上げてくれました。気がつくと、ハンカチを広げて両目の涙や鼻水(汚くてごめんなさい。)を止めていたので、しまいには、手を洗って拭いた後のハンカチのようになってしまっていました。前売り券にはハンカチがついていたそうですから、きっと有効利用できたことでしょう。

佐々部監督が「一滴の血も流さずに、戦争の愚かさや悲惨さを伝えたい」とコメントしておられたと思いますが、充分にそれが伝わった映画だと思いました。

ちなみに小島さん、山口光市の訓練生の中に、教室の後ろの方にエキストラ出演なさったんじゃないですか?もし違っていたらごめんなさい、どこだかわかりませんでした。

安倍総裁もコメントを多くの人のコメントの中で残しておられますが、「自らの夢を捨て、愛する人と別れ、死ぬことを宿命付けられた主人公が何を思い、死んで行ったか、平和の中に生きる我々は、彼らの思いを受け止めねばならない」と。

明大教授、キャスターの蟹瀬誠一さんは、「国とは何か、愛とは、死とは、直視すべき歴史の現実がこの映画にはある」とコメントされておりましたが、同感です。

自民党新総裁になられた安倍さんに、ひとまずこれからの日本は、委ねられたのですから、間違っても戦争へ一歩でも近づくようなことのないよう、語られたコメントを肝に銘じて、正しく舵取りをしていかれますように、お祈りしております。

_ S.KOJIMA ― 2006年09月22日 07時40分

田中保子さま
 さっそく映画館に足を運んでくださり、どうもありがとうございました。いい映画ですね。私は4回見ましたが、まだまだ見たいと思っています。田中さんのお知り合いにも広めていただけるとありがたく思います。よろしくお願いします。
 私がいるのは海軍対潜学校の講堂で校長が特殊兵器への搭乗者を募る場面です。

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