2006年8月14日・15日2008年06月22日 17時56分



 この写真は3週間前の6月1日の朝に相生橋の上から撮った原爆ドームの写真です。前の晩はここから600メートルぐらい上流の河川敷で『夕凪の街 桜の国』の野外上映会がありました。好天の下で上空の星空と対岸の夜景を同時に楽しみながらの素晴らしい上映会でした。
その時の模様が広島フィルムコミッションのHPで見られます。(pokoさん情報)。
http://www.fc.hcvb.city.hiroshima.jp/infonews/infopic77.html

 2年前の8月14日、私はこの映画の出演者と共に相生橋の上から原爆ドームを眺めました。撮影の待機中の数分間の出来事ですが、このことが私の人生を大きく変えるきっかけとなりました。上の写真にあるように眼前には原爆の悲惨を伝えるドーム、眼下は死体で埋め尽くされていたという元安川、しかし、すぐ右隣には美しい女優さんがいて、共に原爆ドームを眺めているのです。この状況に私は混乱しました。すぐ近くに美しい女優さんがいて大喜びしたいのに、原爆ドームの前で喜べるはずがありません。いったい、なぜこのような状況に私が置かれているのか、目をつむって考えました(下に友人が撮ってくれた、この時の写真を載せます)。でも、もちろんわかりませんでした。
 このこともあって私は翌日の終戦の日は一日中平和公園の中で過ごし、答え探しの続きをしました。原爆ドームの対岸のベンチに座り、ドームを眺めながら長い時間、昨日のことを思い起こしながら、考えていました。このベンチの後ろには平和の鐘があり、時折、ここを訪れた人が突く鐘の音が響きました。鐘の音を聞きながら、いつしか私は神様に「私を平和のために用いてください」と祈り始めていました。この祈りは長く続きました。
 いま私は神学校に通い始めています。こうなったのは、この2年前の8月15日の祈りが聞かれたからだと思っています。つまり、これこそが、何故あのような状況に私が置かれたのか、の答えだったのです。8月14日の出来事は、今日の日を迎えるためのきっかけだったのです。この先、私が平和のためにどのように用いられようとしているのかは神のみぞ知るですが、新たな出発の節目の時に再び相生橋を訪れることができて幸せでした。

 良い知らせを伝える者の足は
 山々の上にあって、なんと美しいことよ。
 平和を告げ知らせ、幸いな良い知らせを伝え、
 救いを告げ知らせ、
 「あなたの神が王となる。」とシオンに言う者の足は。
 (イザヤ書52章7節)