加羽沢美濃「出口のない海」オリジナル・サウンドトラック2006年09月03日 20時30分



 映画『出口のない海』の公式HP
http://www.deguchi-movie.jp/
を訪れるとエンドレスで流れる音楽。潜水艦がひそむ静寂で暗い海の中を連想させるピアノの音で始まる。その高音はまた、敵艦に見つからないように海中で沈黙している無機質な潜水艦と魚雷をも思わせる。しかし、この冷たい金属の塊りである潜水艇の中は人間の様々な感情が満ち溢れ、交錯している。その情念が大編成のオーケストラの弦楽器と管楽器の重厚な演奏により、聴く者の胸に迫ってくる。
 この音楽を作曲し、且つピアノを弾いているのは加羽沢美濃さんだ。9月2日(土)に下関で行われた『出口のない海』1000人の先行特別上映会に参加するため羽田発山口宇部行きANA695便の12G席(窓側)に着席した私は出発間際に隣の12F席(通路側)に現れた女性を見て驚いた。何と加羽沢美濃さんだったのだ。つい1ヶ月前に朝日カルチャーセンターで加羽沢さんの講座を受講したばかりだったので、私は迷わず挨拶した。少しだけ話をして、加羽沢さんもお忙しいだろうから寝るとか仕事をするとかしたいだろうと思い、話すのをやめて私は窓の外を見たりすることにした。すると加羽沢さんは目の前の座席のポケットにある機内誌を取り出してパラパラとめくり始めた。機内誌を一通り見終わった後も本格的に寝る体勢に入るとか仕事をするとかの気配はなかったので、私は自身にゴーサインを出し、『チルソクの夏』のパンフレットにサインしてもらったり、名刺を渡したりして、少し長話しをさせてもらうことにした。
 作曲する時は本当に曲が天から降ってくるのだと言っていた。私はそれを譜面に書き取るのだと思っていたのだが、譜面にするのは最終段階で、そこに至るプロセスを教えてもらうことができた。『出口のない海』の録音を何故わざわざ北京まで出掛けて行ってしたのかという事情も聞くことができた。いろいろな話をしたり聞いたりすることができて幸せであったが、何よりうれしかったのは創造性が豊かな人の気をもらって私の創造性も大いなる刺激を受けたことだった。本当にどうもありがとうございました。

 加羽沢さんに貴重な時間を割かせてしまい、佐々部監督にも叱られましたが、ここでサントラのCDの宣伝をすることと、自分自身が良い仕事をすることでご容赦願いたいと思います。
 『出口のない海』オリジナルサウンドトラックCDは9/6の発売です。皆さん、是非お買い求めください。私も今執筆中の論文の質を少しでも高めるよう努力し、材料系では最高峰の雑誌への投稿をダメモトと卑屈にならず、掲載を目指す気概で取り組みたいと思います。

加羽沢美濃 ミニコンサート&トークショー2006年08月23日 21時40分



特別ゲスト:佐々部清監督
日時:2006年9月5日(火) 18:30開演
場所:銀座山野楽器 本店7階

 『出口のない海』の公式ブログで案内されていましたので、招待券をもらってきました。楽しみです。

預言するピアニスト加羽沢美濃さん2006年07月30日 07時42分

「ある人には御霊によって知恵のことばが与えられ、ほかの人には同じ御霊にかなう知識のことばが与えられ、またある人には同じ御霊による信仰が与えられ、ある人には同一の御霊によって、いやしの賜物が与えられ、ある人には奇蹟を行う力、ある人には預言、ある人には霊を見分ける力、ある人には異言、ある人には異言を解き明かす力が与えられています。」
(新約聖書 コリント人への手紙 第一:12章8-10節)

 朝日カルチャーセンター新宿教室での加羽沢美濃さんの講座は恵みにあふれていた。 加羽沢さんの追っかけ日本一のOさん、CHISA & MINOの高嶋ちさ子さんの追っかけ日本一のAさんでさえ初めて聞く話が満載だったそうなので、美濃さんファンであり佐々部映画ファンである我々にはこの講座は本当に素晴らしい贈り物だった。 DVDで『チルソクの夏』と『四日間の奇蹟』の映像と『出口のない海』の劇場予告編を見ながら、そしてピアノでメインテーマの旋律を奏でながら、どのようにしてこれらの映画に曲を付けていったかのレクチャーに、隣に座っていたチル友のTさんなどは涙を流しながら聞き入っていた。
 私は私で加羽沢さんが何度も繰り返し言っていた「曲が天から降ってくる」という言葉に感じ入っていた。私も研究のアイデアを天に求めて感覚を研ぎ澄ます時を持つことがあるが、天から降ってくるものを受け取ることができるのはごく稀で、できたとしてもほんの1,2滴の微量を受けとめることができた「気がする」程度だ。加羽沢さんの場合は曲がナイアガラの滝の水のように(とは言いませんでしたが、彼女の身振りを見るとそんな感じ)もの凄い勢いで降ってきて、それを必死で楽譜に書きとめるそうなのだから、いったいこの人はどういう人なんだと思った。
 きっと加羽沢美濃さんのような人こそが、天からのメッセージをピアノを通して伝える「預言者」と呼ぶにふさわしい人なのだろうと思った。講座の前半の作曲・編曲の一般的な話では客席からのリクエスト曲を例に様々なアレンジの仕方を例示してくれた。リクエスト曲は「アメイジング・グレイス」だった。低音主体の重厚な味わいの「アメイジング・グレイス」、高音部を使った軽やかな「アメイジング・グレイス」を弾き分けてくれた。「Amazing Grace」は有名な賛美歌だ。まさに「驚くほどの神の恵み」にあふれた講座だったと思う。加羽沢美濃さんに信仰が与えられる日が待たれる。

加羽沢美濃さんレクチャー&コンサート2006年07月28日 08時01分

 明日の土曜日、午後4時から新宿住友ビルの朝日カルチャーセンターで、加羽沢美濃さんが講師の講座があります。
 加羽沢さんは佐々部監督の『出口のない海』、『四日間の奇蹟』、『チルソクの夏』の音楽を担当されたコンポーザー・ピアニストです。
http://www.acc-web.co.jp/sinjyuku/0607koza/A1001_html/A100122.html

 さきほど朝日カルチャーセンターに問い合わせたら、まだ空きがあるそうです。03-3344-1998で電話予約できます。
 加羽沢美濃さんのコンサートは、これまで4回ほどチル友と行きましたが、いずれも素晴らしいものでした。今回はレクチャーもあるということで、作曲に関する話もかなり聞けるのではないかと思い、期待するところ大です。

朝日カルチャーセンター新宿教室HP
http://www.acc-web.co.jp/sinjyuku/0607koza/A1001.html

加羽沢美濃さん2006年01月21日 08時26分

 昨晩、銀座四丁目の王子ホールで行われたコンポーザー・ピアニストの加羽沢美濃さんのコンサートに行って来た。佐々部監督の映画『チルソクの夏』と『四日間の奇蹟』の音楽の作曲者ということで、いつものチル友(『チルソクの夏』を通じて知り合った友人)が集まった。今回は佐々部監督も客席に来ておられ、また『カーテンコール』の宣伝のために九州から東京までを自転車で走破した自転車青年のタルミ君も来ていた。我々チル友のためには、おじさんという方(加羽沢さんの応援団員)がいつも良い席を確保してくださるので、今回も前方の良い席で楽しむことができた。
 これまで加羽沢さん単独のコンサート(松本記念館)の他、テノール歌手の秋川雅史さん(NHKふれあいホール)、バイオリン奏者の高嶋ちさ子さん(ティアラ江東;高嶋さんは今週ちょうどNHKの朝ドラの『風のハルカ』に[グレース芝崎]役で出演していました)とのジョイントのコンサートを鑑賞したが、今回はクラシックのサックス奏者の波多江史朗さんとのジョイントだった。
 ピアノとサックスとのアンサンブルは様々な変化を楽しむことができた。私が好きなビゼーの「アルルの女」のメヌエットがメドレーの中に出て来た時は、最初フルートの主旋律のパートをサックスが吹き、サックスのメヌエットも良いなあと思っていたら今度はピアノが主旋律を弾き始め、サックスが伴奏に回った。こんなふうに、型にはまらず自由なところが加羽沢さんの音楽スタイルの魅力だ。
 王子ホールはホームグラウンドのような所だと加羽沢さんは話していた。確かに私が聞きに行った過去3回と少し違っていたと思う。加羽沢さんは次の曲名の紹介の時、曲名が出てこなくなることが良くあるが、昨日はその度合いが特に激しかった。「感性」と「霊性」の部分が十二分に高まり、完全に音楽モードに入った結果、「知性」のレベルが少し下がったのではないかと思う。その「感性」と「霊性」の部分が最高潮に高まったと感じられたのがピアノ単独での『チルソクの夏』に続く『四日間の奇蹟』の演奏の時だった。何と表現したらいいのか、ホールに充満する音の濃厚さと豊潤さがそれまでとは全然異なっていたように感じた。
 佐々部監督のサイト(http://www.sasabe.net/)の監督さんの日記によると、この秋に公開予定の『出口のない海』の音楽も加羽沢さんに依頼したそうだ。『出口のない海』への期待感がますます高まってきた。

P.S.
 加羽沢さんは毎週土曜日のNHK-FMの「名曲リサイタル」(朝9:00~11:00)の司会も務めています(いま、聞いているところです)。