十字架から二千年の2033年までに核廃絶と平和を2017年07月16日 20時30分

 下記の通り、十字架から二千年の年の2033年までに核兵器を全廃すべきという期限を設定することを提案します。
 私のように小さくて何の影響力も持たない者がこの提案をすることにどれほどの意味があるのかと思わないでもありません。
 しかし、これが原爆資料館ロビーの「平和のキャラバン」の中心にタイルを置かれた者に与えられた使命だと、背中を押されるのを感じます。
 自分にできる小さなことから地道に働きを進めて行きたいと思います。

【十字架から二千年の2033年までに核廃絶と平和を】
 2017年7月7日に国連で核兵器禁止条約が採択されました。しかしアメリカなどの核兵器保有国や被爆国の日本はこの条約に参加せず、これでは核兵器の廃絶がいつ実現するのかわかりません。
 そこで私は2033年までに核兵器を全廃すべきという期限を設定することを提案します。2033年はイエス・キリストが十字架で死んで復活し、人々が聖霊を受けた紀元33年から二千年の年です。この記念すべき年までに是非とも平和が実現してほしいと思います。
 特にアメリカ・ロシア・イギリス・フランスのキリスト教の伝統を持つ核兵器保有国は率先して核兵器を削減し、2033年までの全廃を目指すべきです。なぜなら新約聖書のヨハネの福音書にはイエス・キリストが戦災で廃墟になったエルサレムを見て霊の憤りを覚え、涙を流したことが記されているからです[1]。イエスはエルサレムだけでなく広島・長崎の被爆地はもちろん、戦災で廃墟になった無数の現場で涙を流しています。
 イエス・キリストの十字架から二千年の記念の年は盛大に祝われるべきです。それには単にセレモニーを実施するだけでなく、平和の果実を捧げることが最もふさわしい祝い方でしょう。ただし問題があります。それは十字架の年が紀元何年であるかの共通の理解が得られていないことです。暦からはユダヤの過越の祭が金曜日にあった紀元30年または33年であろうとされています[2]。これに加えて、これまで知られていなかったこととしてヨハネの福音書の5章の記事は十字架の年が紀元33年であったことを示唆しています[3]。
 そこで、盛大に祝われるべき十字架から二千年の年の共通の理解を得るために、ヨハネ5章の記事の深層部の解読を皆さんと共に行いたく思います。ただしヨハネ5章の深層部を解読するには、この福音書の全体の構造を知る必要があります。そして、私たちの多くがヨハネの福音書を改めて学び直して、戦災の廃墟の前で涙を流すイエスの姿を知ることは、人類の平和の実現のために大きく貢献するでしょう。それゆえ、まずはヨハネの福音書の全体の構造を共に学ぶ機会を持ちたく思い、学習会を開くことを提案します。
 72年前の7月16日にアメリカのニューメキシコ州の砂漠において原子爆弾の核爆発実験が行われました。これが人類史上初めての核兵器の使用です。この実験は「トリニティ実験」と呼ばれています。三位一体の神を表す言葉が核実験の名称に用いられたことからも、核兵器の使用がいかに神から離れた行為であるかが、よくわかります。私たちは何としても核兵器の全廃を早期に実現しなければなりません。そのために2033年という期限を設定することは有効に働くでしょう。
 以上のことを、今年の7月7日に核兵器禁止条約が国連で採択されたのを機に提案します。多くの方々の賛同が得られれば幸いです。特に16年後の2033年に働き盛りとなっている若い方々の参加を期待します。
 主の平安が皆様と共にありますよう、お祈りしています。

核兵器の時代の幕開けとなったトリニティ実験から72年の日に
 2017年7月16日 小島 聡

[1] ヨハネ11:33~35。拙著「『ヨハネの福音書』と『夕凪の街 桜の国』」p.27~30、p.111、p.127~130、p.163参照。
[2] 例えばJimmy Akin、
 http://www.ncregister.com/blog/jimmy-akin/when-precisely-did-jesus-die-the-year-month-day-and-hour-revealed
[3] ヨハネ5章に登場する38年間病気に掛かっていた人は、池に入らなければ病気が治らないと思い込んでいました。この病人は、神殿で礼拝しなければ救われないと思い込んでいたユダヤ人たちと重ねられています。イエスを信じた人々が聖霊を受けた五旬節(ペンテコステ)の日以降、礼拝は霊とまことによって捧げられるべき(ヨハネ4:21~25)ものとなり、神殿礼拝の形式は重要ではなくなりました。しかしユダヤ人たちの多くは神殿が焼失する紀元70年までの38年間、神殿での礼拝の形式にとらわれていました。拙著「『ヨハネの福音書』と『夕凪の街 桜の国』」p.116、p.160参照。
(以上)

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