『牧師夫人 新島八重』2013年02月05日 14時36分


 いろいろな人々の人生が絡まっている様子を、本人たちが書き残した文章から生の声を引用しながら生々しく綴る、とても面白く読めた本でした。新島八重と新島襄の二人の生涯だけでなく、兄・山本覚馬の京都の妻の娘・久栄に徳富蘆花が大失恋した顛末などが詳しく描かれていて興味深かったです ^^;

 さらにこの本には、大山捨松のことも、かなり詳しく描かれています。捨松は八重と同じ会津出身の女性で、津田梅子らと共に官費で10年間のアメリカ留学をした女子留学生の一人でした。帰国後、大山巌に見そめられて大山夫人となり、鹿鳴館の花として活躍しますが、夫の大山巌は薩摩の出身で、会津戦争の時には砲兵長として鶴ヶ城に砲弾を撃ち込んでいた張本人です。その時、八重だけでなく捨松も鶴ヶ城に籠城していたそうです。

 2011年の年末に観たNHKドラマの『坂の上の雲』の大山巌を思い出しながら、大山元帥にはそんな過去を持つ夫人がいたのかと思い、いろいろな人々の人生が絡み合っていることに、人の世の不思議さを感じました。

コメント

_ 伊田尚史 ― 2013年02月17日 05時58分

山本先輩はNHKで1週間ごとに興味をもたせる仕掛けのシナリオにするのが苦労したという趣旨のことを言ってたけど 今夜も楽しみにしております

_ S.KOJIMA ― 2013年02月17日 18時08分

伊田さん
 NHKの山本さんのインタビューは私も見ました。
「蹴散らして前へ!」というのが良かったです ^^
今夜も楽しみだね。

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