続・世界が一つになるために2013年01月24日 10時58分

 前回の記事について他所でコメントをいただきました。その返信に書いたことを、こちらにも転載します。


 「どうしても必要なお金(または物品)があり、それが与えられるよう祈ったら、24時間以内に届いた。その金品の送り主は、祈り手が祈った時刻よりも前に発送していた。」

 こういう実例がいくつもあることを私たちは聞いて知っていますね。これは祈りの世界では過去と現在と未来とが分離しているのではなく、絡み合っていることを示す好例だと思います。

 量子力学が支配するミクロの世界では、そもそも過去→現在→未来という時間の矢は存在しないようです。不確定性原理があるので、粒子の位置と速度とを同時に決定することができません。観測を行うと確定できますが、その確定した状態は最早ミクロの世界の現象ではなく、私たちが知っている日常の世界であるマクロの世界の出来事として確定されます。

 ミクロの粒子の状態は観測するまでは確定されません。観測されて確定した事は過去の出来事として変更することはできませんが、どうやら私たちの周囲は未だ観測していないもので溢れているようです。私たちが知っている物質は全体の5%しかないそうで、残りの95%は、未知の暗黒物質、暗黒エネルギーなのだそうです。

 ここから先は私の考えが混じりますが、私たちが知っている5%の物質の中でさえ、状態が観測できて確定しているものは、まだまだ一部ではないかと思います。そして残り95%は、全く確定していません。確定していない状態の物質には過去も未来もないでしょう。祈りが過去に届くように見えるのは、その未確定の部分が利用されているのではないか、と私は考えています。過去の歴史は確定していますが、それは目に見える部分だけであって、観測されていない部分では、今も絡み合っているということが言えるのではないかと思います。

 私たちが聖書を読んでイエスの時代の2千年前や、もっと以前のアブラハムやモーセの時代をそんなに昔のことと感じないのは、いまだ確定されていない状態の物質を神が支配しており、その神を通して聖書の時代と現代の私たちとが絡み合っているからではないか、神が今も生きておられるとは、そういうことではないかと思います。

 以上のことは、「そういう考え方もあるだろうね」の一言で片付けられてしまうようなことと思われるかもしれませんが、そうではありません。ヨハネの福音書が時間の絡み合いを示しています。ヨハネの福音書は旧約の時代、イエスの時代、使徒の時代、記者ヨハネの執筆時代、そして読者の時代が絡み合った構造になっています。このヨハネの福音書の構造が現代に至るまで気付かれなかったのは何故か、これまで私はずっと悩ましく考え続けて来ましたが、ようやく結論が出つつあります。それは、量子力学の実験技術や宇宙の観測技術が発達した現代を待たなければ、ヨハネが預言した時間の絡み合いについて正しく理解されないからではないか、いま私はそのように考え始めています。

(参考図書:D.アーリー『最も祝福された21人の祈り』、橋本淳一郎『時間はどこで生まれるのか』、B.グリーン『宇宙を織りなすもの・上』、村山斉『宇宙は本当にひとつなのか』)

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