最後までとは、いつまでか2011年05月18日 14時00分

 ここ姫路教会は目の前に広大な田畑が広がる、のどかな場所で、読書して信仰について思いを巡らすには、本当に良い環境です。そこで今日は信仰の中でも特に大事な【永遠】について書きます。

 ニュースを見ると菅首相は「原発賠償、最後まで国が面倒見る」(4/29)とか被災者には「最後の最後まで国が前面に立ち責任を持って対応する」(5/17)とか言って、【最後まで】を強調しています。是非そうしていただきたいと思います。中途半端に終わらせることなく、最後までしっかりと面倒を見ていただきたいと思います。

 さてここで私は、人々の側もこの機会に、「最後までとは、いつまでか」ということについて是非とも考えていただきたいと思います。そして【永遠】ということにもっと目を向けていただきたいと願っています。

 三陸海岸は、これまでにも度々、大きな津波に襲われて来たということが言われています。インターネットを検索すると、過去のそのような大津波に関する解説も読むことができます。ですから、地元の人は【過去】の経験や記録をもとに警戒をしていたことでしょう。しかし私は思うのですが、日本人は全体的に、少し前のことはもう【過去】のこととしてしまい、【今】という非常に短い時間の中でしか生きていないような感じを受けています。私自身の経験からもそのような傾向があるように思います。

 私は1978年に北海道大学に入学しました。前身である札幌農学校の開校が1876年のことですから、当時は開学100周年記念のお祝いムードがまだ少し残っていました。その時の私は100年前というと大昔のような感じを受けていました。しかし、聖書を読むようになり、2000年前のイエスや3000年前のダビデ、3400年前のモーセらに関する記事を身近に感じるようになってからは、100年や200年前のことは、私にとっては昔のことではなくなりました。

 古いと言われる1000年前の『源氏物語』は確かに古い書ですが、新約聖書が書かれてから900年以上も後の書物です。ダビデ王が人妻のバテ・シェバを見そめたのは源氏が人妻の空蝉に心を寄せる2000年も前のことでした。王国を築いて上り詰め、バテ・シェバ事件を境に転落するダビデ王の盛衰の旧約聖書の記事は、とても3000年前のこととは思えない生々しさで迫って来ます。

 新約聖書のマタイの福音書の一番最後には、イエス・キリストが天に上る前に弟子たちに次のように言ったことが記されています。

「わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」(マタイ28:20)

 聖書によれば、私たちは死んでも最後は天国か地獄かのどちらかで永遠の時を生きることになります。死んだら終わりではなく、イエスを信じていても信じていなくても復活して最後の審判を受けます(ヨハネ5:29、黙示録20:12など)。復活が実際にあることはイエス・キリストご自身が示しています。イエス・キリストの復活が実際に無かったならパウロの回心はあり得ないことです。パウロの回心がイエス・キリストの復活によるものでないとしたら、新約聖書の4分の1を占めるパウロの手紙をどう解釈したら良いか全くわからなくなります。

 菅首相の「最後まで面倒を見る」から話を始めましたが、イエス・キリストこそが本当の意味での【最後まで】、つまり【永遠】に面倒を見てくださる方です。

 3000年前のダビデ王の不倫の話からでもいいですから ^^; まずは聖書の面白さを味わっていただきたいな、と思います。そして【永遠】ということに目を向けることを始めていただけたらと思います。

「ある夕暮れ時、ダビデは床から起き上がり、王宮の屋上を歩いていると、ひとりの女が、からだを洗っているのが屋上から見えた。その女は非常に美しかった。ダビデは人をやって、その女について調べたところ、『あれはヘテ人ウリヤの妻で、エリアムの娘バテ・シェバではありませんか』との報告を受けた。ダビデは使いの者をやって、その女を召し入れた。女が彼のところに来たので、彼はその女と寝た。」
(旧約聖書・サムエル記第二11:2~4)

コメント

_ mokomoko2011 ― 2011年06月16日 19時10分

聖書は難しく読みずらいものとみてました。
先生が書かれている文章は凄く読みいい
いくら読んでも飽きなく、そうなんだと心の中で納得です。楽しいです(*^。^*)

_ S.KOJIMA ― 2011年06月18日 08時27分

mokomoko2011さま

 確かに最初は読みづらいですね。でも、読んでいると、ある時から分かるようになります。これを、「霊的な目が開かれる」とか、「霊的に目覚める」などと言います。

「眠っている人よ。目をさませ。」
 (新約聖書・エペソ人への手紙5章14節)

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