加羽沢美濃さんと二胡2007年03月23日 07時50分

 チェン・ミンさんと加羽沢美濃さんの二胡とピアノの協演はどちらも主役で、両者の個性が良く出ていた。それでいてバラバラにならずにしっかりと調和していたのは加羽沢美濃さんの類い稀れなる才能に負うところが大きいのではないかと思う。
 加羽沢美濃さんのコンサートではリクエスト・コーナーが一つの売りになっている。これは客席からのリクエスト曲数曲を即興でつなぎ、聴き応えのある一曲にまとめ上げるというもので、繊細になったりダイナミックになったり、その変幻自在さに観客は引き込まれ魅了される(文章ではうまく表現できません)。初めて聴いた時はその創意あふれる即興演奏に聴きほれると共に加羽沢さんの才能に感嘆した。しかし何度も加羽沢さんのコンサートに行くうちにリクエストコーナーにも次第に慣れてしまい、驚かなくなってしまっていたことに八尾のコンサートでは気付かされた。八尾のお客さんは二胡のチェン・ミンさん目当ての人が大半で、加羽沢さんの演奏を聞くのは初めての人が多かったようだ。私の周囲のお客さんは加羽沢美濃さんの演奏の素晴らしさに随所で感嘆の声を漏らしていた。私の斜め後ろの若い女性の二人連れは「スゴ~イ」を連発していた。そうなんだよね、加羽沢美濃さんって、やっぱスゴイんだよね、と私も初心に戻り感動を新たにすることができた。
 そんな加羽沢美濃さんだからこそ、二胡の聴かせどころではしっかりと二胡を引き立たせ、ピアノがメインのパートでは彼女の演奏の特長である濃厚な音を響かせ、見事にまとめあげることができたのであろう。八尾プリズムホールを出た私は感動が醒めやらず、この二胡との協演コンサートのことをブログで紹介してくださった下関のSさんに御礼が言いたくなり、携帯で電話したのであった。